バンクーバーで「テリー・フォックス・ラン」-当時の伴走車展示も

毎日42.195キロを目標に走り続けた大陸横断の際、ホテルなどに滞在せず車の中で休息や仮眠をとったという伴走車。

毎日42.195キロを目標に走り続けた大陸横断の際、ホテルなどに滞在せず車の中で休息や仮眠をとったという伴走車。

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 バンクーバーのスタンレーパークなど市内各所で9月14日、がんのチャリティー・マラソン「Terry Fox Run(テリー・フォックス・ラン)」が行われた。主催はThe Terry Fox Foundation。

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 当日、スタンレーパークでは3キロか10キロのコースを徒歩か走って参加。タイムを競うことを目的としないため、子ども連れの家族らも参加した。場所により車いすや乳母車、自転車での参加も可能で、ブリティッシュ・コロンビア州内ではリッチモンドやバーナビーなど約120カ所でマラソンが行われた。現在、海外ではキューバ、中国、インド、日本など世界各地で同マラソンが行われており、現在までに世界中から集められた資金は4.5億カナダドルを超える。

 テリーさんはバンクーバーで育ち、18歳の時に骨肉腫により右足を切断。がん治療研究への資金を集めることを目的として約8,000キロに及ぶカナダ大陸横断に挑戦し走り続けるが、5,372キロ地点でガンの転移が分かり中断。テリーさんの死後、遺志が受け継がれ1981年に同マラソンが開催された。

 10日には同イベントに先駆け、チャリティーバーベキューや綱引きなどのイベントが行われ、アートギャラリーには当時のマラソンの際に伴走した車が展示された。「テリーは1日に約42キロを目標に走り続けた大陸横断の際、ホテルなどで滞在せずに伴走車の中で休息や仮眠をとった」(主催者関係者のDonさん)という。

 テリーさんと同じがんで足を切断したという女性は「彼は私に生きる勇気を与えてくれた。この車を見られることは私にとって特別なこと」と話す。Sam Sullivanバンクーバー市長は「テリーはカナダの歴史において偉大な功績を残してくれた。体の不自由な人にも勇気を与えてくれる」とテリーさんの功績をたたえ、「日本などでもテリー・フォックス・ランが行われているということで、テリーの行動は世界的な歴史を作り出している」と話す。

 また、近年のがん医療の発展に貢献した功績をたたえられ、カナダ政府は1981年にテリーさんに「カナダ勲章」を授与、2005年にはカナダの1カナダドルコインのデザインとして選ばれた。「カナダ国民にとってテリーは英雄的な存在で、たくさんの人がボランティアとしてイベントを手伝ってくれている」(Donさん)。1ドルの寄付のうち、がんの研究費用に87セント、ファンダレイジングに10セント、事務費用に3セントが充てられる。

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