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バンクーバー水族館がパークボードを提訴-イルカなどの飼育規制案撤回求めて

バンクーバー水族館は8月27日、「館内繁殖禁止」などを含む規制案見直しを求め、バンクーバー・パークボード(公園管理局)を提訴した

バンクーバー水族館は8月27日、「館内繁殖禁止」などを含む規制案見直しを求め、バンクーバー・パークボード(公園管理局)を提訴した

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 バンクーバー水族館(845 Avison Way, Vancouver)は8月27日、先に発表された同水族館に対する「海洋哺乳動物飼育規制案」の一部内容の見直しを求め、バンクーバー・パークボード(公園管理局)を提訴した。

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 同水族館でのイルカやベルーガの飼育に反対する声が年々高まる中、バンクーバー・パークボードでは先月末に公聴会を開催。生物学者、水族館関係者、反対活動家、一般市民など賛否両方の意見を聞いた上で、「海洋哺乳類の飼育継続は許可するが、今後(絶滅危惧種以外の)館内での繁殖は禁止する」「パークボードが外部監視委員会を設置する」などの項目を含む飼育規制案を発表した。

 パークボードでは規制案を「双方の意見を尊重した最適な結論」としたが、同水族館代表でCEOのナイチンゲール博士は「パークボードの結論は生物学の観点よりも政治的なもの」だとし、「種の保存は自然界のもっとも基本的な行為であり、水族館内でのイルカたちの自然な繁殖を禁止するというのはパークボードの人間にセックスを一生するなと言っているのと同じだ。自然に反している」との強い抗議文を発表した。

 今回訴訟を起こすに当たり、ナイチンゲール博士は「われわれの海は多くの問題を抱えている。魚の乱獲、海洋汚染、海洋酸性化など人間が起こした問題を解決するために人間の介入は必要である。カナダのマリン・サイエンスセンターとして海と海洋生物を守ること、傷ついたり病んだりしているイルカやクジラを助けることはわれわれの義務である。パークボードの規制案は海と環境を守るわれわれの活動に強い制限をもたらすものだ」と、提訴に踏み切った理由を話す。

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