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高校生シンガー、いじめをテーマに曲作り-売り上げを「ピンクシャツデー」に寄付

自身で作詞作曲したシングル曲「U」の売り上げを「ピンクシャツデー」に寄付する高校生シンガーCole Armourさん

自身で作詞作曲したシングル曲「U」の売り上げを「ピンクシャツデー」に寄付する高校生シンガーCole Armourさん

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 バンクーバー郊外ラングレー市出身の高校生シンガーCole Armourさん(16)が2月17日、自身で作詞・作曲したシングル曲「U」のダウンロード売り上げの50%を「ピンクシャツデー」のいじめ防止活動資金として寄付すると発表した。

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 ピンクシャツデーは毎年2月の最終水曜で、今年は2月25日に「いじめ防止」に関するさまざまなイベントが行われる。2007年、ピンクのシャツを着て登校してきた下級生男子へのいじめに反対するために立ち上がった、ノバスコシア州の男子高校生2人の勇気ある行動がきっかけとなって、カナダ全土に広まった同運動。現在では世界中で「いじめ防止デー」として認知度が高まっている。

 コールさんは、9歳のころから地元のイベントやタレントショーなどで歌を披露してその才能に注目が集まり、2011年10月にはアメリカのトーク番組「Ellen Degeneres Show」に出演し、話題になった。プロアイスホッケーチーム「バンクーバー・カナックス」の試合で国歌斉唱したり、地元のニュース番組にも登場したりなど、次々と活躍の場を広げ、2012年にシングル「Phenomenal」で全米デビュー。今回の「U」は、2014年10月にリリースしたミニアルバム「Misunderstood」に収録されている。

 近くの学校の男子生徒がいじめを理由に自殺した時に感じた身の詰まるような思いを、この歌で表現したというコールさん。「自分自身も学校で目立つ方ではなく、長い間いじめられる側だった。自殺してしまった子がいじめっ子たちに言われたりされたりしたことが、どんなに彼を傷つけ、真っ暗な世界に閉じ込めてしまったかを想像するだけで怖くなる」と話す。

 「ある夜、午前1時過ぎに突然頭の中に歌詞が浮かんできて、『これは書き留めなくては』とピアノの前に座ったら、続きがスラスラと出てきて、2日で完成した。あまりのスムーズさに自分でも驚いた」と曲作りの過程を振り返るコールさん。「自分がつらい時期を乗り越えるためだけでなく、この曲を聴いた人に『あなたがこの世に生まれてきたこと自体が大切な贈り物であり、他のもので置き換えることのできない貴重な存在なのだ』というメッセージを伝え、自分の居場所が無いと感じているときに、強い気持ちを持つための助けになれば」と曲に込めたメッセージを説明する。

 コールさんは、小学校のころから「いじめ反対運動」には積極的に参加してきたが、今回は初めてイベントの公式サポーターとして参加することになった。「いじめられていた時の嫌な思い出を消すのは難しい。一人では無理でも、皆で取り組めば必ずその状況を変えることは可能なはず」と話し、「お互いに思いやりを持って相手に接することの大切さを訴え続けよう。完璧な人などどこにもいないのだから、不完全なそのままの自分を愛するべき。決して一人じゃない」と呼び掛ける。

 同曲はiTunes Storeで購入できる。価格は99セント。寄付の対象期間は3月31日まで。

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