パフォーミング・アーツの祭典「Push Festival」がバンクーバー市内各所で開催されている中、iPod を利用したウオーキング・ツアー型音声劇「Pod Plays-The Quartet」が斬新なアイデアとユニークな形態で注目を集めている。
「Pod Plays-The Quartet」はバンクーバーを拠点とする劇団Neworld TheatreとPTCによる共同製作。観客はiPodから流れる指示通りに街中を出発地点から最終目的地まで歩くと同時に、ナレーションと音声劇を楽しむ仕組み。途中、通過地点にある場所が背景となるストーリーが順次流れるのを体感しながら、通常とは違った視点で街を歩く趣向。
製作者のMartin Kinchさんは「自分の居場所と周囲の風景が頭の中で聞こえているストーリーとつながるという体験はきっと観客にとってユニークなものになるだろう」とし、製作で苦心した点としては、「観客の歩くペースや信号のタイミング、周りの様子が上演日までに変わらないかなどを考慮しながら、ストーリーに使うルートを何度も歩き回った」と振り返る。「最もチャレンジだったのは頭の中のキャラクターが観客の体を使って街を歩くという感覚にさせること」とも。
2人1組で歩く観客に最終目的地は知らされないが、地図や緊急用の連絡先は事前に手渡す。iPodは貸し出しも行うが観客持参のものも使用できる。
上演日は2月6日までの金曜~日曜。観客1組当たりの所要時間は約65分間。12時~16時。チケットは20カナダドル。Neworld Theatre Box Office (TEL 604-602-0007)で販売している。