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永野義弘監督、特別賞受賞作品について語る-バンクーバー国際映画祭で

バンクーバー国際映画祭で「ドラゴン&タイガー賞、特別賞」を受賞した永野義弘監督(右)と主演俳優の橋本和志さん(左)

バンクーバー国際映画祭で「ドラゴン&タイガー賞、特別賞」を受賞した永野義弘監督(右)と主演俳優の橋本和志さん(左)

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 現在開催中のバンクーバー国際映画祭でアジア部門の新人監督作品に贈られる「ドラゴン&タイガー賞」特別賞を受賞した「Recreation」の永野義弘監督と主演俳優の橋本和志さんが質疑応答に応じた。

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 「Recreation」は永野監督が在籍していた神戸芸術工科大学、メディア表現学課映画専攻での卒業制作。永野監督の出身地である福岡を舞台とし、少年犯罪を題材とした作品。博多弁の会話と暴力的なシーンを効果的に取り入れ、罪を犯す不良高校生たちの世界をリアルに描く作品。2011年度の「ぴあフィルムフェスティバル」で600以上の応募作品の中から選ばれた17の入選作品のうちの1作。

 永野監督は少年犯罪を題材とした理由を「出身地の福岡は少年犯罪の発生率が全国で1位。自分も高校生の時に同年代の暴力事件を目撃したことがあったが、その際に大人に通報しても助けてもらえなかったという経験とむなしい気持ちはずっと心に残っていた。未成年犯罪者への刑罰が軽いことにも日頃から疑問を感じていた。少年犯罪を少なくするためにも少年の立場からの映画を撮ろうと思った」と説明。「罪を犯す側の心のもやもや、大人社会への抗議などは若いうちにしか撮れないと思った」とも。

 撮影は福岡県で地元の友人を中心にスタッフを集め18日間を費やした。俳優の橋本さん以外、キャストは皆本格的な演技は初めて。橋本さんは「役の気持ちを監督と相談しながら進めていった。じっくり話し合い理解して演じた役なので、せりふ、演技ともリアルにベストを尽くせた。演技経験がない他のキャストやスタッフも皆それぞれベストを尽くした現場だった」と振り返る。

 バンクーバー国際映画祭は「映画好きな人が多い街で素直に良い経験ができたとうれしく思っている。上映後の質疑応答では社会的な質問も多くあり、真剣に映画を見ているというのが伝わってくる。観客から笑いが起こる場面が日本とまるで違う、というのも驚いた」と永野監督。永野監督、橋本さん共に「尊敬する韓国のYang Ikjune監督をはじめ、多くの韓国の映画関係者と話ができたのもうれしかった」と話す。「自然に囲まれた美しい街なのも気に入った。街中なのに、リスやかもめを追いかけて遊べたのもいい思い出」(橋本さん)とも。

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