リステルホテル併設の新レストラン「forage」-エコ最先端の取り組みで好発進

サステイナビリティに配慮した「forage」では、料理の素材だけでなく、店内のあらゆるところにリサイクル素材や地元産の材料を用いている

サステイナビリティに配慮した「forage」では、料理の素材だけでなく、店内のあらゆるところにリサイクル素材や地元産の材料を用いている

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 バンクーバー・ダウンタウンにあるホテル「Listel Hotel」内に昨年11月20日にオープンしたレストラン「forage」(1300 Robson Street, Vancouver、TEL 604-661-1400)が、観光客だけでなく地元コミュニティーの人たちが、家族や友人たちと気軽に集まることのできる「ビストロスタイルのソーシャルラウンジ」「地元料理が食べられる店」として人気を集めている。

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 昨年6月初めに40年以上の歴史に幕を閉じた老舗レストラン「O’Doul’s Restaurant & Bar」跡にオープンした同店は、Chris Whittaker総料理長が「自分たちが口にするものの起源に敬意を払い、決して無駄にすることなく必要な分だけ消費して作ったおいしい料理を取り囲んでコミュニティーを一つにする」という長年の夢を形にしたもの。「forage」という店名は、「歩き回って食べ物を集める」という意味を持ち、Chrisさんが実際に生産農家や農場に足を運んで、「どこの誰が作った野菜、どこの農場でどのようにして育った動物かを全て把握しているので安心して提供できる」という。

 店舗面積は約1600平方フィート。テーブル席78席。リステルホテルとBC Hydro、グリーン・テーブル・ネットワークなどが共同で環境問題に取り組んだモデルプロジェクトでもある同レストラン。「The Restaurant of the Future(未来のレストラン)」として、店内の照明に全てLED照明を利用するほか、床、壁、天井などに「地元産」「FSC(森林管理協議会)認証」の木材を使用、椅子やカウンターにはリサイクル素材を用いる。インテリアだけでなく、厨房(ちゅうぼう)エリアにもエネルギー効率の良い設備を取り入れたり、通常の陶磁器と比べて少ないエネルギーを使用して作られた低酸素食器を用いたりするなど、あらゆるエリアで環境へ配慮する姿勢を示す。

 Chrisさんは、同店の料理を「バンクーバー料理」と呼び、「地元のオーガニックの材料をなるべく使って、多くの移民で構成されているカナダ、バンクーバーの街を象徴するような、いろいろな食文化を融合したオリジナルの料理を作っていきたい」と話す。「限られた時期にしか収穫されないものもあるが、それぞれの材料の取り扱い方をよく分かっていれば、きちんと処理をして一番おいしい状態で保存し、できるだけ長い期間提供できる」とも。

 人気メニューは、昨年のバンクーバー水族館主催「チャウダー選手権」での優勝レシピで、BC州産のボタンエビやポーチドエッグ、チッチャロン(豚の皮の空揚げ)など具だくさんの「シーフードチャウダー」(10カナダドル)や、「ビーツとゴートチーズのサラダ・砂糖漬けへーゼルナッツと黒こしょう和え」(10カナダドル)、「ビンチョウマグロとニョッキ、キノコのカボチャペースト添え」(20カナダドル)など。

 広報担当のSue Alexanderさんは、「スローシーズンでのオープンにしては、順調に来店客が増えている」とし、「以前あった店が『特別なときにおしゃれをして出掛ける高級レストラン』というイメージが強かったのに対し、通りがかりに気軽に入りやすいような明るくオープンなイメージになっている」とも。

 営業時間は、朝食=6時30分~10時(月曜~金曜、土曜・日曜は7時~)、夕食=16時~24時。ブランチ=10時~14時(土曜・日曜のみ)。

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