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人が「本」になり語る「ヒューマンライブラリー」、バンクーバーで開催

「ヒューマンライブラリー」イベントキュレーターのDave Deveauさん

「ヒューマンライブラリー」イベントキュレーターのDave Deveauさん

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 バンクーバーの中央図書館(350 West Georgia St. Vancouver TEL 604-331-3603)で現在、人が「本」となり、借りた人にライフストーリーを語る「ヒューマンライブラリー」が開催されている。PuSh International Performing Arts Festivalの一環。

ヒューマンライブラリーで貸し出し中の「本」たちのタイトル

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 ヒューマンライブラリーは、社会の中でマイノリティーに属する人々への偏見やそれに基づく暴力を無くし、理解を深める目的で2000年にデンマークで始まった試み。「本」として参加する人が貸し出した人に20分間、自分の人生や体験について語り対話する。昨年のPuShフェスティバルで連日行列ができるほどの好評を受け2年連続の開催が実現した。

 イベントキュレーターのDave Deveauさんは全ての「本」たちを個別に面接し企画の趣旨に合った「本」を選出。話す内容を短時間で収まるようにまとめる手伝いや、質問に対する返答の仕方などについてアドバイスした。「個人的な内容を話すので感情的になるのでは、と心配する『本』もいたが、貸し出しに来る人の多くが熱心に視野を広げようと聞いてくれているので、とてもいい雰囲気で話が進む」と話す。

 「普段は話す機会がない人から話を聞くという時間は、きっと今までとは違った視点から他の人を見ることにつながると思う。ここで『本』を借りるという行為は、自分の今までの常識や思い込みにチャレンジすることでもある。昨年も今年も予想以上の多くの人が借りに来てくれているのを見て心から素晴らしいと感じた」と笑顔で開催の意義を語る。

 今年の「本」の顔ぶれは同性愛者、性転換者、アスペルガー患者、男性ナニー、元詐欺師、葬儀屋、霊能者などの30人。本の貸し出しは会場(図書館3階)で行い料金は無料。

 次回は1月31日~2月2日の12時~17時。

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