バンクーバー市内のチョコレート店、カフェなどで1月17日から「ホットチョコレート・フェスティバル」が始まった。伝統的なレシピと共に「コオロギ入り」「酒かす入り」などのユニークなフレーバーも登場し話題となっている。
シリンジに入れたせき止めシロップ入りホットチョコレート「フルー・ショット」
毎年バレンタインデーを前に開催される同フェス。5回目となる今年は市内のチョコレート店、カフェ、アイスクリーム店など24店が参加し、各店趣向を凝らした57種のホットチョコレートを期間限定で提供する。
ユニークなホットチョコレートとして注目を集めるのは、ダウンタウンの「Mink Chocolates」(863 West Hastings st. Vancouver TEL 604-633-2451)。せき止めシロップ入りのホワイトチョコレートを使用した「Flu Shot」と、食用の乾燥コオロギを入れた「ドント・バグミー!(Don't Bug Me!)」の2種類(各8.50カナダドル)を用意した。
同店オーナーのMarc Libermanさんは「最初に思い付いたのは『フルー・ショット(Flu Shot)』。今年のインフルエンザは重症化しやすくワクチンの効果も低いというニュースを聞いて、チョコレートが効けばと思った」とせき止めシロップ入りチョコレートの由来を話す。「薬を飲むようなシリンジに入れてみたらとてもうまくいった」とも。
「コオロギ入りの方は、『Flu Shot』(予防注射)を受けて『Flu Bug』(インフルエンザ・ウイルス)」を防ぐ、ということを考えているうちに『Bug』(虫)という言葉から遊んでみることを思いついた。UBCに問い合わせたところ、カリフォルニアの食用昆虫の専門家を紹介され、テキサスにある会社から食用のオーガニック、フリーレンジのコオロギを卸してもらう話がまとまった」と経緯を話す。
チョコレート専門店の「Thierry」(1059 Alberni St. Vancouver)ではマダガスカル産とドミニカ産のダークチョコレートをベースとしたドリンク2種を、「Thomas Hass」(2539 West Broadway, Vancouver)ではヘーゼルナッツとアーモンドバター入りとミントチョコレート味の2種をそれぞれ提供するなど高品質のチョコレートで来店客にアピール。他にもシナモン、酒かす、わさび、アールグレー入りを提供する参加店などがあり、バラエティー豊かなラインアップで集客を狙う。
期間中、ホットチョコレートの収益の一部はダウンタウン、イーストサイドに住む女性の職業訓練を助けるThe PHS Community Serviceに寄付する。
参加各店のリストとメニューはサイトに掲載する。2月14日まで。