バンクーバー国際映画祭で「かざあな」上映-内田伸輝監督が来加

(左から)映画「かざあな」に出演の俳優、鍋山晋一さん、内田伸輝監督、俳優の赤穂真文さん。撮影:Shugo Takemi

(左から)映画「かざあな」に出演の俳優、鍋山晋一さん、内田伸輝監督、俳優の赤穂真文さん。撮影:Shugo Takemi

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 「バンクーバー国際映画祭(Vancouver International Film Festival)」が開催されている中、日本からアジア映画コンペティションの「ドラゴン&タイガー」賞にノミネートされている作品「かざあな」の内田伸輝監督、俳優の鍋山晋一さん、赤穂真文さんが来加し、上映と質疑応答が行われた。

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 同作品は、男女の片思いや三角関係、すれ違いなど誰もが持つ苦い恋愛経験を4人の男女を通して描くラブストーリー。監督、撮影、編集などすべてをこなす内田さんは撮影に3年、編集に1年の歳月をかけて作品を完成させた。「普段は各自がそれぞれ働いているので、休日に集まって撮影を続けた。日本の四季の移り変わりを描きながら各地で撮影しているうちに3年が経った」と自主映画製作ならではのエピソードを披露した。

 編集について、内田さんは「94分の長さに編集するにあたり、映画のバランスを考え1つのシーンをカットするかしないかで、感情の入り込み具合に違いが出るので調整するのに苦労した」と当時を振り返った。演技指導に関しては、ポイントを伝えた上で演技は俳優に任せた。「フィクションにはドキュメンタリーの要素があると思うし、ドキュメンタリーにはフィクションの要素がある」と話す内田さんは、演技に納得がいくまでカットは出さず、60分テープを長回しして106本のテープを撮影。中には60分間の間カットをかけず、撮影を続けたことも。「カットをかけるまでは演技を続けるように最初から決めていたので役者さんは大変だったと思うが、良かったところを膨らませて再度撮影するなど脚本は俳優らとともに仕上げていった」とも。

 作品が海外で上映されることについて、「恋愛に対する感情や気持ちは世界共通という思いで映画を作っているが、実際に観客の反応が見ることができて楽しい」。バンクーバーに対しては、「アメリカというよりはヨーロッパのような印象。建物を見るのも興味深いし、カナダの若者のスタイルを見ることができて刺激になる」とも。

 同作品は、若手映画監督の登竜門として知られる映画祭「第30回ぴあフィルムフェスティバル」で審査員特別賞を受賞、広島映像展でもグランプリを受賞した。同映画祭にノミネートされたことに関して、「自主映画を作っていく上で、この映画祭にノミネートされることが明確な目標だったので、決まったときはうれしくてホッとした」。すでに次回作のアイデアがあるという内田さんは「今後も各国の映画祭にチャレンジしたい」と意気込みをみせる。

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