バンクーバー郊外のショッピングモール「Guildford Town Centre」(2695 Guildford Town Centre, Surrey、TEL 604-585-1565)で1月23日、「Family Literacy Day」(27日)にちなんだ読書イベントが開かれた。カナダ全土の図書館、小学校などでも同様のイベントが同時に行われ、ギネス記録「Most Children Reading with an Adult, Multiple Locations(世界一多くの子どもたちが大人と一緒に本を読んだ記録)」を塗り替えようと、多くの家族連れや地元の小学生たちでにぎわった。
カナダ人成人識字率向上のための活動を行っている財団「ABC Canada Literacy Foundation」が「家族そろって毎日本を読もう」と呼びかけ、毎年1月27日を「Family Literacy Day(家族識字デー)」と定め、カナダ全土で読書関連イベントを開催している。今年で11回目。
当日は、11時から1時間ごとに30分間ずつ、ゲストとして迎えた地元のプロスポーツ選手や市の消防署員、警察官などが、集まった子どもたちを前に、カナダを代表する世界的に有名な絵本作家でもあり同財団のアンバサダーも務めるRobert Munschさんの作品の中から「Pigs」「Mortimer」「Purple, Green and Yellow」「Murmel, Murmel, Murmel」「Something Good」などの読み聞かせを行った。
同財団のウェブサイトでの登録状況(1月21日現在)によると、カナダ全土で開かれる900以上の読書イベントに187,000人以上が参加。2006年にアメリカで記録された78,791人を大幅に上回る予定。
イベントに参加した幼稚園生の保護者のひとりChristineさんは「日ごろから寝る前の読み聞かせをするように心がけている。ギネス記録に挑戦するということで、昨日から親子でワクワクしていた。今日の夜はきっとロバート・マンチの絵本を読んでとせがまれるはず」と笑顔で話す。
同財団のMargaret Eaton会長は「16歳から65歳の成人カナダ人のうち、10人に4人が字は読めるけれども十分に意味を理解できないために就職や日常生活に悪影響をもたらしている」と意外な事実を示し、「今回のイベントをきっかけとして、これから毎日15分でいいので、家族そろって本を読んだり、レシピを一緒に見ながら料理をしたりして、文字に触れる機会を作ってほしい」と呼びかける。