バンクーバーオリンピック選手村、引き渡し式-冬季五輪まであと100日

バンクーバー五輪選手村の引き渡し式で、ロバートソン市長から「金色の鍵」を受け取るファーロングVANOC最高経営責任者。写真撮影:竹見脩吾

バンクーバー五輪選手村の引き渡し式で、ロバートソン市長から「金色の鍵」を受け取るファーロングVANOC最高経営責任者。写真撮影:竹見脩吾

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 2010年バンクーバー冬季オリンピック開会まであと100日となった11月4日、フォールスクリークエリアに建設された選手村(Olympic Village:1800 Spyglass Place, Vancouver)で、バンクーバー市からVANOC(バンクーバーオリンピック組織委員会)への引き渡し式が行われた。

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 式典では、カナダ先住民マスクィーム族のドラム演奏に先導されて、Gregor Robertsonバンクーバー市長やVANOC最高経営責任者のJohn Furlongさんたちが会場入り。バンクーバー学校区内の高校生から成るユース合唱団のリードでカナダ国歌斉唱した後、マスクィーム族を代表してLarry Grantさんが同施設の安全を祈る儀式を行った。

 海外メディアを含めた約100社の記者やカメラマンであふれた式典会場は、ユニット数1,100戸の選手村の中心に位置する歴史ある建物「Salt Building」。大会期間中、選手たちの交流の場「リビングルーム」として重要な役割を果たすことになる。「建設開始前に初めて見たときには、取り壊される建物だろうと思った」(Furlongさん)という古いビルだったが、今回の建設プロジェクトで見事によみがえった。

 同市長は「雨水を再利用したり、使用電力の削減システムを設置したりしたほか、周辺公共交通機関を充実させるなど、バンクーバーが自信を持って世界に紹介できる『環境にやさしい選手村』になった。費用調達の点でかなり苦労した部分もあったが、工事の進み具合はスムーズで関係者に心から感謝している」とし、「これだけの条件が整った施設なので、オリンピック終了後の一般販売も順調にいくだろう」と前向きに語る。

 「自分もオリンピックに選手として参加したくなるくらい、とても快適な施設。世界中から集まる3,000人近くのアスリートたちが、万全のコンディションで競技に臨むために『Home Away from Home(わが家のようにくつろげる場所)』としてリラックスする環境を提供できるはず」とJohnさん。

 会場には、オリンピック・マスコットの「Miga(ミーガ)」「Quatchi(クワッチ)」「Sumi(スーミ)」も真っ赤な特製ミトンを身に着けて登場。スキークロス競技に出場予定のAleisha Clineさんと、トリノ・パラリンピックの車いすカーリング競技で金メダルを獲得したSonja Gaudetさんに選手村で使ってもらうための「オリンピックグッズセット」(スリッパ、ブランケット、キーチェーン、バスタオル)を進呈した。

 Aleishaさんは「この選手村は、今まで世界中の大会に出場して滞在したどの場所よりも素晴らしい。オリンピック期間中、あの部屋で朝起きたときに見える街の様子や水辺、山並みの美しさは最高だと思う。もう自分がどのベッドに寝るか決めたし、このままここに泊まっていたいくらい」と笑顔で語り、会場を盛り上げた。

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