バンクーバー水族館(845 Avison Way, Vancouver)は昨年11月、米国から雌アナコンダを迎え、雄のアナコンダとの繁殖準備が進められている。
雌のアナコンダは全長約5メートル18センチ、体重45キロほどの緑色の巨大なヘビで、昨年秋にアメリカのウィスコンシン州、ミルウォーキーにある倉庫内で発見され、3カ月間の観察を経て、今回新たな住処となるバンクーバー水族館のグラハムアマゾンギャラリーに移された。
日本名「オオアナコンダ」はボア科で水生の世界で一番巨大なヘビ。ほかのヘビと同様、オオアナコンダは有性生殖で体内受精により繁殖し、求愛活動は頻繁で数カ月に及ぶ。雌はフェロモンのある尻尾を横たえ、それが雄の気を引くと考えられている。雌は100匹の子どもを出産し、一度の出産はおよそ20匹~40匹。
それぞれ壁を隔て近くに置いた当初から「すでに雄の匂いに気づいているようでいい兆候」と、蛇の飼育をして3年になる水族館生物学者のアンドレアさんは話す。今後、初の引き合わせを行い、気が合えばそのまま同じ水槽で飼育する。その後彼らの間に子どもが生まれた場合、親が子どもを食べてしまうこともあるため、子どもたちはすぐに親から引き離し別の場所で飼育する。
また、全く気が合わないこともあるという。過去には水族館内の別の種で一度も繁殖に成功しなかったケースも考えると、「今回は雄に比べて雌のアナコンダの体のサイズがはるかに大きいため、どうなるか」とも心配する。
雌と雄ではどちらがリーダーシップをとるかは「前回は雌がリーダーシップをとっていたし今回は雌のほうがより大きいから、おそらく雌だろう」と予測するアンドレアさんに、現場にいる関係者は「人間社会と同じだね。笑」とも。
アナコンダの水槽はグラハムアマゾンギャラリーエリアにある。
現在バンクーバー水族館ではウェブサイトを通じて、東日本大震災の被災地の水族館や動物園のための寄付を募っており、3月23日までに3万980ドルの寄付があった。寄付金は日本動物園水族館協会に寄付される。