グランビルアイランドにある劇場「Granville Island Stage」（1585 Johnston Street, Vancouver）で6月21日から、ブロードウェーでロングランを達成したミュージカル「XANADU（ザナドゥ）」が上演されている。主催はArts Club Theatre Company。

　原作は、1980年にオリビア・ニュートン・ジョンさんが主演したものの酷評され、アカデミー賞前日に発表される史上最低の映画賞「ゴールデンラズベリー賞」の第1回監督賞を受賞した映画。同作品内で歌われる主題歌「XANADU」をはじめ、「Magic」「All Over The World」などの挿入歌は、映画の評判とは逆に大ヒットし、1980年代の代表曲となった。2007年には、映画版をパロディー化したミュージカルコメディーとしてブロードウェーで上演され、トニー賞にノミネートされるなど人気を博したことで知られる。

　1980年のカリフォルニアを舞台に、ローラーディスコ「ザナドゥ」を作り、世界中の音楽が集まる殿堂にしようと夢見る青年ソニーと、彼の夢の実現に手を貸したギリシャ神話のミューズ（女神）キーラの禁断の恋の行方を中心にストーリーが展開する。

　舞台監督を務めたDean Paul Gibsonさんは「古き良き80年代のあらゆる音楽がちりばめられていて、どんな人たちにも何かしら楽しんでもらえる要素がある作品。（依頼を）断る理由が見つからなかった。自分がどうしてもやりたいと思った」と話す。

　同作品を楽しんだ観客は、「キャスト全員が楽しんでいるのが伝わってきた。上演中は、曲を一緒に口ずさんでいるかおなかを抱えて笑っているかのどちらかだった」（Loisさん）、「映画のうわさを聞いていたので、あまり期待せずに見に行ったが、最高に面白かった。ゲイの『女神』役の俳優たちのキレのあるダンスは、主役の2人を圧倒するくらいだった」（Martinさん）などの感想を寄せている。

　上演時間は月曜・水曜～土曜＝20時～（水曜・土曜は14時～の公演も有り）、火曜＝19時30分～。チケットはArts Clubボックスオフィス（TEL 604-687-1644）で販売している。8月4日まで。