1月29日に開かれたバンクーバー市議会で、「Vancouver Book Award バンクーバー・ブック・アワード2007」の授与式が行われた。今年の受賞作品は、マイケル・クラックナーさんの「Vancouver Remembered」(Whitecap Books出版)で、賞金2,000カナダドルが贈られた。
同賞は1989年に設立された賞で、作品の分野や内容、スタイルを問わず、バンクーバーという街の歴史や地理、特徴、住んでいる人々の業績などをうまく表現した本に贈られる。本の内容はもちろん、挿し絵やデザインも審査対象に含まれる。
審査員は、グレン・ディアーさん(ブリティッシュ・コロンビア大学教授)、マーク・フォーニエーさん(書店経営)、カレン・X・タルチンスキーさん(小説家・脚本家)が務めた。
受賞作品は、クラックナーさん自身が1950年代から順に見てきたバンクーバーの街の移り変わりを、写真や水彩画を通して振り返る形で構成されており、その緻密(ちみつ)なリサーチと街の様子をうまく表現した挿し絵が高く評価された。
サム・サリバン・バンクーバー市長は「最終選考まで残った作品のテーマが、偶然にも共通しているように思えた」とし、「どの作品も、20世紀の間に、文化的にバンクーバーが多様化してきたことを理解する上で大変役に立つもの。それらを生み出すことに尽力した著者の皆さんと出版社の方々に拍手を送りたい」と称賛した。
「このような素晴らしい賞をいただけるのを大変うれしく思う」と話すクラックナーさん。「自分自身が幼いころに見ていた、楽しい思い出がいっぱいのバンクーバーの街を表現したかった。現在オーストラリアに住むようになって、バンクーバーの四季や美しい場所を思い出すと同時に、街がどんどん成長し、変化していく中で徐々に消えていきつつある素晴らしい景色を形として残したかった」と故郷への思いを寄せた。
クラックナーさんは、バンクーバー出身の作家で、芸術・文化団体にも長年の間、幅広く貢献してきた。現在はオーストラリアで芸術活動を続けている。
同書は49.95カナダドル(ハードカバー)で販売中。
Michael KlucknerWhitecap BooksCity of Vancouver Book Award 2007