環境保全団体「World Wildlife Fund(世界自然保護基金、WWF)」は3月19日、スウェーデン・マルメ市で開かれた表彰式で、バンクーバー市を「Global Earth Hour Capital 2013(2013年アースアワー・世界の中心都市)」として認定した。
同賞は、気候変動の問題に対して最も真剣に取り組んでいる都市に対して授与するもので、全66都市の中から、今回、ニューデリー(インド)、フォルリ(イタリア)、サンフランシスコ(米)、ウプサラ(スウェーデン)、オスロ(ノルウェー)と共に最終選考にバンクーバーが残っていた。8人の審査員が、同市の提出した環境対策プランとその実行過程や効果について、「地産地消の支援体制」「Transportation 2040プラン」「下水熱回収システムを利用した施設導入」などの点を高く評価し、「バンクーバーが環境に優しい未来づくりのために重要な役割を担うことができる」とした。2月15日から1カ月間にわたって行われた、一般インターネット投票により決定する「ピープルズ・チョイス賞」も、バンクーバーが受賞した。
「『世界一グリーンな都市』を目指して行ってきた私たちの広範囲にわたる努力が、国際的に認められたことをこの上なく誇らしく思う」と喜ぶGregor Robertsonバンクーバー市長。「政府が国全体として行動を起こさなくても、それぞれの都市が気候変動の問題に対峙(たいじ)し、積極的に動き続けることが重要。エコを意識したまちづくりは、地元経済の活性化にもつながっている」と自信を見せる。
WWF国際部の総合ディレクターJim Leapeさんは「バンクーバーのビジョンと創意工夫に拍手を送りたい。世界中のより多くの都市がバンクーバーの取り組みを手本にして、さらに独自のアイデアを加えることで、気候変動に早急に対応するための行動を起こし、地球全体がサステイナブルで確実な、より魅力的なライフスタイルをつくり出す必要がある」と提案する。
今年のアースアワーは3月23日。WWFでは20時30分から1時間、世界各地で消灯し、「地球温暖化を止めたい」「自然を守りたい」という意思表示をするよう呼び掛けている。バンクーバー市役所や関連施設、観光地でも照明を落とすほか、市内の多くのレストランでは、「キャンドルライト・ディナー」を企画するなど、多くの市民がさまざまな形で世界規模のイベントに参加する。