バンクーバー桜祭りの一環として4月6日・7日、バン・デューセン庭園(5151 Oak Street, Vancouver)で「Sakura Days Japan Fair(桜デー・ジャパンフェア)」が開催された。Japan Fair Association of Vancouverを中心として、約180人のボランティアの協力により企画・運営された同フェアは、両日とも小雨の降るあいにくの天気となったが、7,000人以上が来場し、桜と日本をテーマにしたイベントを楽しんだ。
会場内では、裏千家茶道や日本舞踊、和太鼓や尺八、琴の演奏のほか、生け花、書道、俳句ワークショップ、着付け体験、折り紙コーナー、盆栽展示、日本酒の試飲コーナーなど、さまざまな日本文化に触れる人や、日本茶や生チョコ、和風クラフトなどの地元日系ビジネスの商品やサービス紹介・販売ブースで熱心に質問する多くの来場客の姿が見られた。庭園内に設けた屋台エリアでは、昨年のイベントで30分~1時間待ちとなり大人気だった焼き鳥やたこ焼き、焼きそばなどを求めて、多くの人が行列を作った。
多彩なプログラムの中でも特に注目を集めたのは、日本から同フェア参加のためにバンクーバーを訪問した「MOJIアーティスト」の浦上秀樹さん。21歳の時に遠位型ミオパチーを発症し、手足をほとんど動かせない状態だが、偶然出合った「MOJI art」の本がきっかけで、2010年から筆を口にくわえて自分でも描くようになった。この3年間で120字を作品にしたという。
平仮名で独自のメッセージを込めて形作った漢字を作品として仕上げ、「かけはし」というひらがなを使って書き上げた「桜」や、「ふつうのこと」の6文字から成る「福」のほか、「感謝」「絆」「幸」「愛」「縁」などの作品を展示販売した。「こころ」の3文字を使って「言」という漢字を描くデモンストレーションを行った後の質疑応答では、「寝る前やトイレに入っているときに作品のアイデアが浮かぶ」などのエピソードを紹介。来場者からは「難しい漢字の中に自分が知っている平仮名を見つけ出すのが面白い」「誕生日や結婚記念日などのプレゼントにしたい」と好評だった。
バンクーバーの日本人学生ボランティア団体「Japan Love Project」が出した屋台では、2日間で焼きそば約700食を販売。同団体広報の赤井絵理さんは「今回の売り上げは、来月に予定している2回目の震災がれき清掃活動費用に充て、一部を宮城県にある復興任意団体『海べの森をつくろう会(気仙沼市)』『海と共につながる会(石巻市)』に寄付する予定」とするほか、「Keiko Ai Photo Club」では、メンバーが撮影した写真を使ったグリーティングカードなどを会場内ブースで販売し、売り上げをNPO法人さくら並木プロジェクトに寄付するなど、東日本大震災の被災地支援を続けている。