バンクーバー・ダウンタウンのラーメン激戦区の和風スパゲティ店「すぱげっ亭SPAGHeTEI」(1741 Robson St., Vancouver、TEL 604-428-1014)が5月28日、グランドオープンを迎えた。今月8日からソフトオープンしており、30分待ちの行列ができるなど多くの客でにぎわっている。
同店を手掛ける「J-Home Import Inc.」(Suite728- 602 W. Hastings St., Vancouver、TEL 604-558-3223)の代表で、同店ゼネラルマネジャーを務める藤井佑耶さんは「日本人には何となく懐かしい味、それ以外の人たちにはイタリアのパスタとは違う新しい味を提供する店を作ろうと思った」とビジネス立ち上げのきっかけを話す。「バンクーバーは既に日本食も浸透していて、これからさらに勢いのあるエリア。最初に出すならダウンタウンの中心地でより多くの人にうちの味やブランドを知ってもらうために、目抜き通りであるロブソンストリートを選んだ」と、ロケーション選択の理由を説明する。
「ソフトオープン後、3日連続通い詰めの人もいたり、地元フードブロガーの記事が出た翌日から来店客が急増したりして、多い時には1日150食以上出た日もあった。急きょスタッフ増員で対応しているところ」と好調な滑り出しに「うれしい悲鳴を上げている」(藤井さん)。
オフホワイトの壁に落ち着いたブラックの木目の内装が和風モダンな空間をつくり出す1200平方フィートの店内には39席を設け、地元アーティストの米田貴之さんによる「和」「粋」の書がさらに和の雰囲気を添える。
海外で定着している「すし」「てんぷら」「照り焼き」とは一味違った日本食メニューとして、1975(昭和50)年から青森県十和田市で続く老舗「すぱげ亭」の森本シェフ直伝のソースをベースに、しょうゆやみそなど日本の伝統的な調味料と新鮮な食材をふんだんに使った、16種類の「日本的な味わいのスパゲティ」を取りそろえる。人気メニューは、あさりのうま味を効かせたショウガしょうゆソースの「あさり」(12カナダドル)、スパイシーなたらこと濃厚バターのソースの「明太子」(13カナダドル)、しょうゆベースでカルボナーラ風の「卵とエビ」(13カナダドル)など。
「特に日本人以外にはあまりなじみが少ない納豆やみそなどの味を、スパゲティを通して体験することで、日本独特の食文化を海外に広めて行きたい」とする藤井さん。「メニューを決定するときに、少し守りに入ってしまった気がするので、今後さらに和風テイストを強く出したアイテムを加えてもいいと考えている。将来的にはフランチャイズ化して、カナダだけでなくアメリカにも進出していけたら」と抱負を語る。
営業時間は、ランチ=11時30分~15時、デイナー=17時30分~22時。月曜定休(月曜が祝日の場合は営業、火曜に振り替え定休)。