バンクーバーのKwantlen Polytechnic University(クワントレン・ポリテクニック大学、KPU:12666 72nd Ave., Surrey、TEL 604-599-2000)で9月から「ビール学講座」が開かれることになり、注目を集めている。
ブリティッシュ・コロンビア州で初めて開設される同講座は、2年間のディプロマ取得コースで、ビール醸造の仕組みやビジネス経営について学ぶ。地元醸造所でのインターンシップやBC州地ビール組合などから迎えるゲスト講師による講義など、地域密着型のコース。ラングレー・キャンパス(20901 Langley Bypass, Langley)内の醸造室で行う多くの実習を組み込んだ内容で、定員は35人。
カナダ全土での急速な地ビール業界の成長に伴い、資格を持った優秀な人材育成の必要性が出てきたことに対応する形で開講に至った。「ビールの醸造作業に携わるだけでなく、醸造所併設のレストラン経営や小売り、マーケティングなど幅広い分野で将来的に活躍できる可能性が広がる」(同校広報)。
「BC州初となる講座を始められることをとてもうれしく思う」と話す同大学園芸学部のElizabeth Worobec学部長。「実地でのトレーニングを行いながら、学生たちがビール醸造に関する化学や微生物学の知識を確実に身に付けることができる。卒業生たちは、州内で拡大している多くの醸造所で資格を生かすことができるはず」と期待を寄せる。
サレー市内の醸造所「Big Ridge Brewing Co.」で醸造責任者を務めるNick Boltonさんは「この講座で勉強し、トレーニングを受けた学生たちと共に、どんどん増え続ける醸造所がさらに発展し、BC州がカナダの醸造業界の中心となることは間違いない」と自信を見せる。
同大学広報のHayley Woodinさんは「まだコースへの申し込みは始まっていないが、既に幅広い年齢層の人たちからとても多くの問い合わせが来ている。地元メディアだけでなく、カナダ国内、海外からの注目も集めているようだ」と反響の大きさに驚きを示す。「地元の醸造所からも多大なサポートを受け、大変ありがたい」とも。