カナダ造幣局は10月23日、2ドル硬貨と25セント硬貨の新しい記念コイン発行を発表した。どちらも11月11日の「リメンバランス・デー(戦没者追悼記念日)」にちなんだデザインで、2ドル硬貨は500万枚、25セント硬貨は1250万枚が一般流通する。
毎年、同日が近づくと、胸に赤いポピーのブローチやピンを着けて街を歩く人が増え、祝日に制定されている当日にはカナダ全土で追悼式典が行われる。赤いポピーが戦争で亡くなった人たちの名誉と追悼の意の象徴となった由来は、カナダの詩人ジョン・マックレーさんの詩「イン・フランダース・フィールズ」といわれている。
今年は、第1次世界大戦で激戦地となったフランダース地方の戦場が後に真っ赤なポピーの花で埋め尽くされた様子を、カナダの従軍医として参戦していたマックレーさんが追悼の詩にしてから100年目に当たる。そのことから2ドル硬貨には、マックレーさんがポピーの花と十字架で埋まる戦地で静かに詩を書く様子が描かれている。25セント硬貨には大きなポピーの花の周りを小さな花が囲むデザインを施し、赤い色の入ったカラー版と通常版の2種類を用意する。
同局長のサンドラ・ハニントンさんは「自分の命を犠牲にして母国のために戦った人たちを忘れないよう、追悼の気持ちを込めてこれまでにもいろいろな記念硬貨を発行してきた。今年もリメンバランス・デーが近づき、国全体が戦没者や退役軍人の皆さんへの尊敬の念を表した素晴らしいデザインのものが仕上がった」と喜ぶ。
同局サイトでは、各デザインの硬貨が1枚ずつ入ったコレクター・カード1セット(2.50カナダドル、1万セット限定)を販売する。