バンクーバーのDistrict 319で（319 Main Street,Vancouver）で8月6日、カナダ映画だけを上映する非営利クラブ「First Weekend club」（ファースト・ウィークエンドクラブ）」のプレミア上映会パーティーが行われた。同クラブは会員数が1万人を超えるなど、口コミでも評判を呼んでいる。

　当日は、チケットが完売するほど多くの人が参加。インドの自転車タクシー「リクシャー（Rickshaw）」運転手をテーマにしたドラマ「AMAL」を劇場公開前に上映。監督、俳優らはカナダ人だが撮影はインドで行われた。その後、伝統的なインドのダンスのパフォーマンスや、主演俳優のRupinder Nagraさんへの質疑応答なども行われた。Rupinderさんは「良い映画だと思ったら皆に伝えてほしいが、悪いと思ったら秘密にしておいてほしい」などと冗談を交えながら観客の質問に答え撮影秘話などを明かした。

　映画館などの劇場は、インディペンデント映画の場合、劇場公開後の週末3日間の興行成績から上映期間の延長を決定するため、映画が公開される数日前にプレミアイベントを行い、口コミで来場者数を増やすことを目的に同クラブ名を名付けた。同クラブはカナダ初上映となる特別プレミアやパーティーなどのイベントを企画し、会員になると最新カナダ映画やイベントの情報、チケットプレゼントのほかに映画監督とディナーを共にする企画やダンスイベントなどの情報が届く。同クラブへの入会は無料でオンラインから登録できる。

　「カナダ映画を上映し監督や俳優を招待し質疑応答を行うことで、観客はカナダ映画に興味を持ち、フィルムメーカーにも活動の場を与えることができる」と同クラブディレクターのAnitaさん。さらに、「カナダ映画の場合、上映する場所を探すのも大変で上映されたとしても2～3週間。ハリウッド映画のように広告や宣伝されていない映画でも素晴らしい映画はたくさんある。クラブで見た映画について多くの人が映画の良さを口コミで伝え、週末にその映画を見に行くことができれば期間延長につながる」と、イベントの効果に期待を寄せる。

　チケットは、前売り＝10カナダドル、当日券＝12カナダドル。

「First Weekend club」UBC卒業生による非営利組織がフィルム製作コース再開を実現（バンクーバー経済新聞）