バンクーバー、グランビル・アイランド内の特設会場、The Fringe Club(1494 Old Bridge Street, Granville Island)で「バンクーバー・国際ラテ・アート選手権」の予選が行われた。主催はバンクーバーのコーヒーショップ「Blenz(ブレンズ)」。社外からも応募・参加できる公式な選手権の開催は今回が初めて。
予選参加者は22人、上位8位までが決勝に進出する。今回、参加選手のうち5人が日本人。予選1位でブレンズ・イエールタウン店マネージャーの田尻建吾さん、2位で「ラテ・アートの本場で勉強したい」と「コーヒー留学中」の池田清佳さんが予選を通過した。
同選手権について、荒巻副社長は「バンクーバーとシアトルが本場と言われているラテ・アートを知ってもらいたい」「社外のバリスタたちも参加し競い合うことでお互いの良い所を学び、それがよりよい質のコーヒーを提供することにつながる」とGeorge Moen社長。「ラテ・アートをつくるには細心の注意が必要。ラテ・アートのデモンストレーションが普段からコーヒーを大切に扱い、おいしいコーヒーを作ることに役立っている。日本のお茶の作法と少し通じるものがあるのでは」とも。
同選手権は、エスプレッソの表面にスチームミルクの入った水差しを巧みに操ることで葉やハート、チューリップなどのデザインを描くフリープア技法を競うもの。コーヒーの濃い色とミルクのコントラスト、左右対称、芸術性、創造性の4点が審査基準となる。5分間の練習時間後、5分間に作れるだけのラテ・アートを作り、気に入った3杯を審査員に出し、その中の一番良い作品が審査対象となる。
競技後、田尻さんは「今回の出来はまあまあの85点。ラテ・アートは繊細なので豆やエスプレッソの機械、ミルク、ピッチャー、カップなどによって作品が変化する。いつもと違う器具を使ったので作品にも微妙に違いがでた」と話し、「決勝では満足できる100点を目指して頑張りたい」と抱負を語る。
2位の池田さんは「日本では技術面が重視されているが、カナダの人は楽しく、自分のキャラを出すいれ方を大事にしている。もっとたくさんコーヒーのことを本場、バンクーバーで学びたい」とコーヒーへの思いを熱く語る。
決勝には今年7月、東京・青山のブレンズで開催されたラテ・アート選手権1位・2位の日本人選手も招待されている。決勝戦は26日、ブレンズ・ライブラリー・スクエア店(300 West Georgia Street, Vancouver)で予選を通過した8人と日本人招待選手2人の計10人が腕を競い合う。日本人初代チャンピオンの実現に期待がかかる。