バンクーバーのお菓子作りが好きな主婦、Kelly Boydさんが立ち上げたチョコブランド「Bad Girl Chocolates」が、意外な味の組み合わせと人目を引くセクシーなロゴで話題を呼んでいる。

　今年のバレンタイン・デー用には、「Fleur de Sel」「Hawaiian Pink Coral Salt」「Australian Pink Salt」の3種の塩をトッピングしたハート型チョコを販売するなど、「初めて食べた時にはちょっと驚くかもしれないが、だんだんとクセになるエキゾチックな味」を取りそろえて売り上げ増加を狙った。「チョコレートの甘味だけでなく、ピリッとした風味の部分を生かした商品をどんどん作っていきたい」（Kellyさん）。

　クリスマスやバレンタイン・デー前などの忙しいシーズンには、寝る間も惜しんで商品作りに励むが、今年はひとりでは追いつかず、パートタイムで人を雇うまでになった。1日に作るトリュフは約500個。自宅キッチンではスペースが足りなくなったため、商業用のキッチンスペースを借りることに。「たくさんの材料や出来上がった商品を保存するための大きな冷蔵庫が使えるようになって、夢のよう」（Kellyさん）。今年はさらに大規模なクラフトショーへの出品やより多くの小売店での店頭販売など、さらにビジネス拡大を予定している。

　ブランド名の「Bad Girl」は、Kellyさんのことを茶化して家族が付けたニックネームが由来。「その名前（Bad Girl）を聞いてすぐに浮かんだイメージが『1950年代のピンナップガール』だった」という。「セクシーだけどピュアで、かしこまらずワクワク楽しくなるような雰囲気」を作り出そうと、地元アーティストで友人でもあるToren Atkinsonさんに相談してロゴが完成し、現在のデザインになった。

　人気商品は「Pomegranate Truffle（ざくろとダークチョコのトリュフ）」、「Hot Chocolate Truffle（カイエン・ペッパー入りダークチョコのトリュフ」、「Fleur de Sel Caramel（シーソルト入りキャラメル・ダークチョコ）」「Hazelnut Dark Chocolate Pyramid（ヘーゼルナッツ入りピラミッド型ダークチョコ）」（各1.25カナダドル）。昨年から発売を始めたチョコレートソース「Hot Fudge Sauce」やチョコペースト「Hazelnut-Chocolate Spread」（8カナダドル）も徐々に売り上げを伸ばしているという。

　「トリュフを作るときにより風味を出すため、バターやクリーム類を使っていない」ため、ビーガン（絶対菜食主義者）の人も安心して口にすることができる商品も多い。口コミで噂は広がり、電話やメールでの問い合わせが後を絶たないという。

　「大量生産ではなく少量を丁寧に手作りし、限られた場所で提供するため、保存料は全く使っていない」と商品の新鮮さに自信を見せ、『こんな味のチョコが食べたい』『こんな材料を使ってみて』などのお客さんの声をすぐに商品に反映させることができるので、次に来たときには希望の味を新商品として並べることが可能。マーケットへのリピーターも、それが楽しみで来てくれる」（同）と小規模ビジネスならではの成功の秘訣を語る。

　隔週土曜日に開催中のWinter Farmers Market（WISE Hall、1882 Adanac Street, Vancouver）で展示直売（4月25日まで）するほか、Edible BC（#565-1681 Johnston Street, Vancouver、TEL 604-662-3606）、Coco et Olive（3476 West Broadway, Vancouver、TEL 604-736-7080）、The Spelt Bakery（2141 Hastings Street East, Vancouver、TEL 604-258-2726）、Greedy Pig（307 Cordova Street West, Vancouver、TEL 604-669-4991）の店頭で取り扱う。電話（604-291-9698）とインターネットでの注文は現在カナダ国内のみ対応。「もっと需要が増えたら、海外発送にも対応できるようにしたい」（Kellyさん）。