リッチモンド市内の小学校Alexander Hamilton Elementary School(5180 Smith Drive, Richmond)で4月22日、アートプロジェクト「Stream of Dreams」の完成披露会が行われた。アースデイにちなんだイベントの一環として同校が企画し、Stream of Dreams Murals Society(『夢の小川』ミューラル協会)の協力により実現した。
同校正面のプレーグラウンド周囲に設置されたフェンス、縦約1メートル×横約35メートルにわたって取り付けられた約700体の大小さまざまな色とりどりの木製のサーモンは、「魚たちが美しい川の流れに沿って伸び伸びと泳ぐ様子」を表現している。幼稚園から中学1年生までの全校生徒と同校スタッフ、保護者だけでなく、地域をパトロールする担当警察官や消防署職員など、コミュニティー全体が一丸となって取り組んだ。
同協会は2003年に設立され、エコ教育プログラムやアートプロジェクトを通して、水環境の質の向上と維持のためにより多くの人たちの意識向上を図ることを目指して活動を続けてきた。現在では、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州内にとどまらず、アルバータ州、オンタリオ州、米・ワシントン州にまで広がりを見せており、これまでに81,500人の参加者によってそれぞれ自由に色付けされたサーモンたちが、学校やコミュニティーセンター周囲を飾っている。
Andrew Ferguson副校長は「貴重な自分の時間を返上してボランティアで作業を進めてくれた保護者の皆さんに感謝したい。ハミルトンというコミュニティー全体が地球環境保護について真剣に考えていることを象徴する素晴らしい作品が完成した」と感慨深げ。
今年1月にサーモンの形に木の板を切り抜く作業を始めて以来、毎朝子どもたちを学校に送り届けた後で、サンドペーパーをかけたり、下地となる色付けをしたりするなど、長期間にわたる地道な作業を続けてきた同校保護者会。代表のConnie Adamsさんは「子どもたちがフェンスの前を通るたびに、自分が色を塗った魚を友だちや親に見せようとしている姿がとてもほほ笑ましい。色を塗る作業を楽しんだだけでなく、環境保護についてもしっかりと身に付いたようだ」と話し、「水を出しっ放しで歯磨きをしていたり、車のエンジンをかけたまま停車したりしていると、子どもたちからひどく注意されるようになった」と苦笑いする。
同校6年生のDaynaさんは「学校には車で送ってもらうのではなく、自転車か徒歩で登校するようにしたり、ごみを出さないで済むような弁当を持ってくるようにしたい」と個人で取り組むことができるエコ活動の実践を心掛ける。