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【イベント特集】2011-06-06

五輪の興奮再びよみがえる:NHLホッケー、スタンレーカップ決勝戦に沸くバンクーバー~さまざまな形で表れた地元のサポート~

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 NHL(北米プロアイスホッケーリーグ)の頂点を決めるスタンレーカップ決勝戦が6月1日から始まり、街全体が地元チームを応援するために一致団結、「バンクーバー・カナックス」一色に染まっている。チームとしては1994年以来17年ぶりの決勝進出、カナダのチームが優勝したのは1993年の「モントリオール・カナディアンズ」以来18年ぶりとなるため、ホッケーファンに限らず至る所で盛り上がりを見せている。

<街中にあふれる『Go Canucks, Go』のサイン>
街のあちこちで見かけるフレーズ「Go Canucks, Go(いけいけ、カナックス)」。生徒たち手作りのポスターを校内に飾る小学校や、高校入り口のサインボード、ガーデニングショップ、ドーナツチェーン店の店頭サインにとどまらず、動物病院や教会、工事現場までが声をそろえて「ゴー・カナックス、ゴー」と応援メッセージを送っている。
<人も車もホテルもカナックス一色>
カナックスの試合がある日は、道行く人たちがチームカラーの青や緑を身に着けたり、カナックスのロゴ入りジャージーやTシャツを着たりする姿を多く目にする。カナックスの旗を立てて走る車は数え切れず、中には手作りの「スタンレーカップ」やチームのマスコット「Orca(シャチ)」を載せて走る車も。(チームマスコットのフィン君は6月4日に10歳の誕生日を迎えた)。ホテルやレストラン、バーなどもバナーや旗を掲げてサポートしている。ホッケーで熱くなっているのはカナダ人に限らない。日系コンビニエンスストア「みんなのコンビニ屋」では、カナックス応援イベントを企画してFacebook上で参加を呼び掛けている。盛り上がりは地元カナダ人だけでなく、五輪時の再来とばかりにカナダに住む多くの人種も巻き込んでいる。
Go Canucks GoGo Canucks GoGo Canucks Go
<最大級のファンは5トンサイズ>
バンクーバー水族館は6月3日、同館で行っている「野生シャチ研究プログラム」を通して観察を続けているシャチのうち、2週間前に偶然スタンレーパーク沿岸の入り江で目撃されたうちの1頭を「Stanley」と名付ける事に決定した。「偶然ではなくてバンクーバーを応援しに遊びに来たのかもしれないと同僚たちと冗談を言っていた。家族の絆がしっかりしているシャチは、カナックスのチームスピリットをよく表していると思う」と話すのは研究チームのLance Barrett-Lennardさん。同館館長のJohn Nightingaleさんは「ホッケー熱がここまで高まり、地元チームの活躍を私たちがどれだけ誇りに思っているかを示すには一番のチャンス」と命名の理由を説明する。
Go Canucks GoVancouver Aquarium - Meghan Mckillop
<人形や彫刻たちもコスプレ>
市内各所では、カナックスカラーで身を包み、無言で応援する人形や彫刻たちの姿も注目を集めている。観光名所スタンレーパーク内にあるカナダ総督「Lord Stanley(スタンレー卿)」の銅像は、高々とスタンレーカップを掲げ、足元には「The Cup belongs here.(賜杯はここにあるべきものだ)」とのメッセージが付く。同公園内の水辺にある少女の像「Girl in a Wet Suit」は、カナックスのジャージーを着てキャップをかぶり、ホームゲームでは恒例の応援スタイルとなった白いタオルを結び付けたホッケースティックを手にして静かにたたずむ。市内の眼鏡屋の屋上では、2006年の街中アートプロジェクト「Spirit Bears in the City」でバンクーバー周辺を彩ったクマの像が、サングラスをかけ、旗を持ち、ロゴ入りブランケットをまとって空を見つめている。今、話題になっているのは、ライオンズゲートブリッジの南側にあるライオンの像が着ていたカナックスジャージーの行方。同ライオンたちは、オリンピック開催時には特製の「赤いミトン」を着けて通勤客や観光客らを迎えていた。
<店名・町名も変更>
対戦相手ボストンの名前が入っているレストランなどは、決勝戦での相手が決まった直後から、対応に追われた。北米でチェーン展開するレストラン「Boston Pizza」は、決勝戦の期間中、州内全店舗の店名を「Vancouver Pizza」に変更すると発表。急きょオーダーしたバナーを全店に配布した。バンクーバーから北東に約200キロ離れた人口800人の町「Boston Bar」では、6月中、名前を「Vancouver Bar」に変えている。カナダのドーナツチェーン「Tim Hortons」では、人気商品「Boston Cream」を「Vancouver Cream」として販売。徹底した「ボストン離れ」で地元チームをサポートする。
<市長も首相も市民とともに>
バンクーバー市やサレー市、リッチモンド市などが大画面で試合観戦を楽しむことができるエリアを次々と設置するなど、各市が応援サイトを設け、市民が一丸となって声援を送っている。ワールドカップ開催中に大人気だったブブゼラの音もどこからか聞こえ、にぎやかに応援する人もいるなど、各会場では試合終了後も、夜遅くまでお祭り騒ぎの状態が続く。Gregor Robertsonバンクーバー市長はボストン市長と賭けをすることにし、賭けの内容のアイデアをツイッターで公式に募るなど、市民とともに地元チームの活躍を期待する。ハーパー首相も、「アメリカのチームとカナダのチームが対戦するとなれば、もちろんカナダ側の勝利を願って応援する」とTVインタビューで答えるなどカナックス支持を表明。首相の公式フェイスブック上で新しく引き取った猫の名前を募集したところ、「Stanley」が現在2,000票近くを獲得してリードしている。

2戦目の勝利後、市は予想を超えた人出に対応するため、グランビルとロブソンストリートに設置したファンゾーンをジョージアとハミルトンストリートに移動することを発表した。ジョージアストリートの6車線と歩道を開放、17×23フィートのスクリーンを設置する。

Go Canucks Go

<五輪開催地はスタンレーカップを制す?>

今回でスタンレーカップ獲得への挑戦が3回目となるカナックス。日本のことわざと同様に「Third Time Lucky(三度目の正直)」というフレーズがファンの間でささやかれている。1977年のモントリオール、1989年のカルガリーと「五輪開催地のチームはオリンピックを開催した翌年に優勝する」という前例もあることから、昨年の冬季五輪開催地バンクーバーとしては優勝して、ぜひともスタンレーカップを地元に取り戻したいところ。6日15時には、州知事の手で聖火台を再点灯することも決定した。同日17時から、バンクーバーを離れて敵地ボストンで戦うカナックスへ地元からの熱い思いを伝えるためだ。2010年冬季五輪のアイスホッケー男子決勝では、カナダ代表チームがアメリカ代表を破って金メダルを獲得した。街の盛り上がりも経済効果も五輪当時を上回る勢いのバンクーバー。スタンレーカップ獲得の悲願達成なるか?地元の期待は大きく膨らむ。

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