バンクーバー博物館に巨大フリースセーター、ペットボトル3千本を再利用

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 バンクーバー博物館(Museum of Vancouver、1100 Chestnut Street, Vancouver、TEL 604-736-4431)で現在、巨大セーター展示「SweaterLodge Unlatched」が行われている。

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 計3,150本の2リットル入りペットボトルを再利用して作ったフリース素材のセーターを、多くの人が集まるふんわりと暖かい「ロッジ」に見立てたインスタレーション。2年に一度イタリアで開かれる現代美術の国際展覧会「ベネチア・ビエンナーレ(Venice Biennale)」の建築部門に、カナダ代表として2006年に出品された作品で、バンクーバーで建築事務所を営むBill PechetさんとStephanie Robb Pechetさん夫妻がデザインした。

 通常サイズのジャケットの18着分、計400平方メートルのフリース生地を使って作り上げた巨大セーターは鮮やかなオレンジ色で、天井からテントのようにつり下げられている。大きく垂れ下がった袖の部分は、実際に中に入ることができるようになっている。重量は約600ポンドで、全体を広げると袖の端から端までが26.5メートルにもなる。

 ペットボトルを積み上げてある会場入り口で、まず履いている靴を脱ぐよう注意書きがある。「日本でお寺や神社に出掛けたとき、靴を脱いだり水で口をすすいだりしてピュアな気持ちになって中に入らなくてはいけないことをイメージした。オレンジ色の屋根の下で、ゆっくりと瞑想(めいそう)するのもいい」(Billさん)。会場出口に準備してあるフリース生地を持ち帰って自由に作品を作り、Flickrの「Museum of Vancouver MOV」グループに写真を投稿すると、プリントアウトして会場内に展示作品の一部として貼り出される。

 「(この作品は)アートでもあり、建築物でもある。自然を敬う気持ちと都会の文化が絶妙なバランスで融合したバンクーバーという街を表現した」と話すBillさん。「ベネチアで展示したときは夏だったのでとても蒸し暑く、会場内にいるのが苦しかったが、今回はちょうどフリースが恋しくなる季節に、地元バンクーバーで展示することができて良かった」と苦笑いする。

 開館時間は10時~17時(木曜は20時まで)。月曜休館。入場料は、大人=12カナダドル、シニア・学生=10カナダドル、子ども(5歳~17歳)=8カナダドル、5歳未満無料。5月1日まで。

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