サイモン・フレーザー大学(SFU)サレーキャンパス(250-13450 102Ave., Surrey)で3月1日、使用済みバナーを再利用して作った服やバッグのファッションショー「Beyond the Bag Eco-Fashion Showcase」が開かれた。主催は、同大学の学生主導NPO団体「Enactus SFU」。
市内各所の街灯に掲揚後のバナーを有効活用することを目的として、同団体が2008年に立ち上げたプロジェクト「Banner Bags(バナー・バッグズ)」。地元高校生たちの家庭科の授業でリサイクルバッグ作成の課題として取り上げられ、これまでに州内の30校以上が参加した。クワントレン・ポリテクニック大学とジョン・カサブランカス学院のファッション専攻の学生たちがワークショップを行って、高校生たちに指導やアドバイス。バッグだけでなく、ドレスやジャケットなど、さらに複雑なデザインの作品を募集するのは今年で2回目。
当日は、応募総数27作品のうち、最終審査に残った中の10作品を身に着けた学生たちが、ファッションショースタイルでランウエーに登場し、集まった来場客の拍手を浴びた。3人の審査員が、それぞれのデザインについて参加者たちに質問しながら、デザインの独創性、機能性、縫製の出来具合などに基づいて審査した後、最優秀作品ほか各賞が発表された。
シニア部門で優勝したOlivia Bickerstaffさん(バンクーバー市 Eric Hamber Secondary高)は「ノバスコシア州のカラーをイメージした作品。どうやって捨てる部分を少なくするか、デザインを工夫するのが難しかった」と振り返る。Oliviaさんは、副賞としてアップサイクル・ファッション専門のSans Soucie社でのインターンシップの権利を獲得した。
同プロジェクトマネジャーのRanita Lauさんは「これからより高度なレベルを目指して進んでいく若いデザイナーの卵たちが、地元のファッション業界とのつながりを持つきっかけづくりになるだけでなく、今後を担う世代にサステイナビリティーの大切さを伝えていくことが一番の課題」と話し、「今回、ドレスやジャケットに生まれ変わったバナーが、使用後もしそのまま埋め立てられていたとしたら、地中で分解されるまでに40年以上もかかる。このプロジェクトを通して、従来ならバナー掲揚していた市や企業が処分のために支払っていた費用2,750ドル以上を節約できた計算になる」と、成果を説明する。