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バンクーバー国際映画祭、池田暁監督が受賞作「山守クリップ工場の辺り」語る

「バンクーバー国際映画祭」で新人監督賞(ドラゴン&タイガー賞)を受賞した池田暁監督

「バンクーバー国際映画祭」で新人監督賞(ドラゴン&タイガー賞)を受賞した池田暁監督

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 開催中の「バンクーバー国際映画祭(Vancouver International Film Festival)」で、「山守クリップ工場の辺り(英語題:Anatomy of Paperclip)」の池田暁監督が新人監督賞(ドラゴン&タイガー賞)を受賞し、作品への思いを語った。

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 クリップ工場で働く淡々と同じ毎日を繰り返す男、小暮と周囲の個性豊かな人々を不思議な世界観で描く同作。一見静かな作風のようで次々と繰り出される不思議な人々や出来事が、新鮮な驚きと笑いをもたらし見る者を引きつける作品。

 池田監督は作品について「どこの町なのか分からないが懐かしい感じもする町の日常の中で起こるちょっと不思議な日常」と説明。埼玉県の深谷市に作品のイメージに合う昭和な雰囲気が残っている建物を紹介してもらい撮影したという。

 次々と登場する不思議な人物たちのキャラクターづくりについては「せりふがなく表情のみのシーンも多いので、俳優さんたちに作品の世界観を話し作りすぎないで演じてもらった」と話す。主人公の小暮については「見る人がだんだん彼を愛していってくれれば、という思いで撮った」とも。

 作中には食べ物や飲み物、方言など実際にありそうで実は監督の創作というものが登場するが「見た人が何だかよく分からないものを登場させたかった」。方言については「地方を特定したくなかったので標準語で書いた台本を元に俳優さんたちと数日かけて作った」もので「自分と話している俳優さんたちには何をしゃべっているのか完全に分かる(新しい)言葉が出来上がった。見る人が主人公と同様に『えっ、今何て言った?』と思ってもらえれば意図としてはうまくいったかなと思う」と笑顔で振り返る。

 同作は先月行われた「第35回ぴあフィルムフェスティバル」でも審査員特別賞を受賞。バンクーバーからの帰国後には釜山国際映画祭にも参加する。「多くの人に受け入れてもらい見てもらえるというのは本当にありがたい。英語や時差の問題などで完全に満喫できなかった部分もあるが本当に良い経験になった。また戻ってきたい」と今後に意欲を見せる。

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