バンクーバーの夏恒例、日系の夏祭り「パウエル祭」が8月2日・3日、バンクーバー日本語学校(487 Alexander Street, Vancouver)やバンクーバー仏教会(220 Jackson Avenue, Vancouver)など、ダウンタウン・イーストサイドの旧日本人街エリアで開催された。
例年は同エリア内にあるオッペンハイマー公園をメーン会場に、屋台やステージを設けて行われる同イベントだが、今年は7月下旬から同市のホームレス問題に対するデモ活動を行う人たちが同公園を占拠。園内は泊まり込みで抗議活動を行うテント村となる状況が続き、開催が一時危ぶまれた。パウエル祭協会では、バンクーバー市をはじめとするコミュニティー各所とぎりぎりまで交渉を続けてスケジュールを調整。メーン会場を同公園から周辺のアレクサンダー通りとジャクソン通り沿いに移し、「ストリート・フェスティバル」という形での開催にこぎ着けた。
イベントが行われた週末は、両日ともに30度近くまで気温が上がる晴天に恵まれた。多くの家族連れや日本文化に興味を持つ市民らが、和太鼓や日本舞踊、茶道、みこし、相撲、折り紙などの日本文化を楽しんだり、平和に関する展示で日本の歴史を学んだりする姿が見られた。15店以上の屋台が出店したフードエリアでは、日本式ホットドッグや空揚げ、うどん、お好み焼き、今川焼、かき氷などの屋台に多くの来場者が行列を作り、日本の味を満喫した。
日系カナダ人の友人と一緒に裏千家茶道のデモンストレーションを体験した高校生Isla Wrightsonさんは「今までに本やテレビなどで少しだけ見たことはあったが、目の前で茶道の道具やお点前を見て、お菓子や薄茶も実際に味わうことができたので、さらに日本の伝統文化に対する興味や理解が深まり勉強になった」と満足した様子だった。
同フェス広報のOwen Cameronさんは「これまでの38年の歴史の中で、おそらく一番にぎわいを見せ、大成功に終わった」とし、主催者代表のKristen Lambertsonさんは「急きょ変更が必要になったにもかかわらず、特に大きな問題もなく順調にフェスティバルが開催できてほっとした。パフォーマンスをしてくれた出演者や屋台を出した店舗、来場客の皆さん、あらゆる方面からポジティブなコメントが届いており、感激している。イベント企画から実現に至るまで全力を注いでくれた200人以上のボランティアの皆さんや協賛企業の皆さんのおかげで無事に終わることができた」と感謝のコメントを寄せた。