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バンクーバーのダンスフェスで大駱駝艦が「ムシノホシ」-麿赤兒さん、作品を語る

舞踏集団「大駱駝艦(だいらくだかん)」の麿赤兒(まろあかじ)さん

舞踏集団「大駱駝艦(だいらくだかん)」の麿赤兒(まろあかじ)さん

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 バンクーバーのダウンタウンにある劇場Vancouver Playhouse (600 Hamilton St. Vancouver)で3月20日・21日に、麿赤兒(まろあかじ)さん率いる舞踏集団「大駱駝艦(だいらくだかん)」による「ムシノホシ」が上演された。

大駱駝艦の公演「ムシノホシ」

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 日本のみならず海外のファンからも支持を受ける「大駱駝艦」のダイナミックな舞踏。麿さんは舞踏を「ストーリーに起承転結がある芝居とは少し違い、見た人に想像力で物語を紡いでもらうもの。演技を見た人の印象で百人百様の物語ができれば」と説明する。舞踏ならではの全裸に近い白塗りの姿は「肉体、身体がストレートに見える形」であり「プリミティブでありたいという思いから」と説明する。

 今回の演目「ムシノホシ」は、地球上の多様な環境において自ら変化し続けて来た「ムシ」が、人類に宇宙からのメッセージを伝えるという作品。音楽は土井啓輔さんとジェフ・ミルズさんが担当した。麿さんは「虫というのは何億年も前から自分の体を環境に順応させて生き延びてきた。そういうものになってみたいという自分の中のファンタジー」と制作のいきさつを話し、「自分たちの住みやすいように環境を変えていき壊してしまっている人間も、そろそろ虫から何か教わった方が良いのではないかと思った」とも。

 新しい作品の概念やコンセプトは1年ほどかけて練り、さまざまな形に膨らませていくという。「いろいろな考えが頭に浮かんでいろいろな方向に考えが行く。そのメタモルフォーゼを楽しんでいる」と麿さん。人間というものを「多面体の生き物。善も悪もあるが一つではない。(自分の作品は)そういう世界を遊んでいるものかも」とも。

 踊りは「空間と戦っているようなもの」と表現し、「体の筋肉というより神経の動きを重視している」と話す。70歳を過ぎてもなお現役だが、「日頃の稽古だけで特に意識して鍛えたりはしていない」と明かし、若手も含めた劇団員たちと美しい体で舞台の上を舞い観客を引きつけた。 

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