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バンクーバー桜祭り「ジャパンフェア」に9000人 日本文化・ビジネス紹介に貢献

桜をテーマにした俳句をピンク色のチョークで園内通路に書いて紹介

桜をテーマにした俳句をピンク色のチョークで園内通路に書いて紹介

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 バンクーバー桜祭りの一環として4月11日・12日、VanDusen Botanical Garden(5251 Oak Street, Vancouver)で「桜デー・ジャパンフェア」が行われた。両日ともに天候にも恵まれ、日本文化に触れながら園内に咲く色とりどりの花を楽しむ多くの家族連れでにぎわった。

日本からの特別ゲスト、津軽三味線の山口晃司さんと和太鼓奏者の笛木良彦さんのコラボ演奏がジャパンフェアの会場を盛り上げた

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 今年で6回目を数え、バンクーバーの春恒例行事といわれるまでに成長した同フェス。例年よりも桜の開花時期が早かったため満開の桜に囲まれての開催とはいかなかったが、岡田誠司バンクーバー日本総領事は、開会のあいさつで「日本の桜の美しさは、満開になったピンク色の花だけでなく、その散り際や薄緑色の若葉が出始めたときも楽しめるところにある」と述べた。同フェス実行委員長の塚本隆志さんは「目の前に桜の花は少ないかもしれないが、今回協力してくれている200人以上のボランティアの笑顔ともてなしの心の美しさを楽しんで」と来場者に呼び掛けた。バンクーバー公園課代表のジョン・クーパーさんは「バンクーバー市の緑化プランとして桜の木をさらに増やすよう計画中。今後もっと町が桜色に染まるのを楽しみにしている」とも。

 2日間を通して約9000人が来場し、ステージ上で繰り広げられる尺八や太鼓の演奏や、獅子舞、日本舞踊、コーラス、アニメのコスプレなどのバラエティー豊かなパフォーマンスを楽しみながら、ラーメンやたい焼き、焼き鳥、クレープなど、17店舗が提供する日本の屋台フードを満喫した。日本から来加してスペシャルコラボ演奏を披露した津軽三味線の山口晃司さんと和太鼓奏者の笛木良彦さんのステージでは、「津軽じょんがら節」などの伝統的な曲のほかに、ジャズ風にアレンジしたリズミカルなオリジナル曲や松任谷由実さんの「春よ、来い」なども演奏。ステージ前で足を止めた多くの来場者たちは「とても楽しくて、つい足でリズムを取っていた」「天気も良くて思わず踊りたくなった」「日本の伝統的な楽器の音楽は眠たくなる退屈なものと思っていたが、予想とはまったく違っていて驚いた」と拍手を送った。

 「すず屋」と「Kyzock Sushi Bowl House」が共同出店したお好み焼きとたい焼きの屋台では、年々増加する来場者に備え、事前にキャベツ120キロ、ネギ20キロを用意。「スタッフ総出で、包丁を持つ手の皮がむけるほどひたすら刻み続けて、気が遠くなりそうだった。終わってみたら、配管が詰まってしまって処理に追われてしまった」(小畠秀和さん)と作業の大変さを振り返る。苦労のかいあって、2日間でお好み焼き約500枚、たい焼き約1000個を販売した。屋内で生チョコの販売ブースを出した「Coconama Chocolate」の千綿孝智さんは「人気だったのは、抹茶、桜、ほうじ茶のフレーバー。昨年はイベント終了前に売り切れたので、今年は多めに見積もって500セット準備し、2日で1000セット近くが売れた。ここでの試食をきっかけに、後日わざわざ店舗の方まで足を運んでくれる人も多く、とてもいいプロモーションの機会になっている」と笑顔で話す。

 同フェス広報の堀田直人さんは「日本からの特別ゲストを迎えることで、ジャパンフェアをリフレッシュさせ活気づけることができた。日本のビジネスや文化芸術をカナダの皆さまに紹介するという目的を達成し、イベントのハイライトにもなったと思う」とし、「イースターの週末イベントや日系コミュニティーの別のイベントと重ならないようにするなど、毎年スケジュール調整には苦労する。来年は4月9日・10日を予定している」と、早くも次回開催へ向けて動き出している。

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