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バンクーバーで「原爆の歌」朗読会 広島で家族を亡くした女性の短歌を英訳

共訳者の河野優三枝さん(右)とアリエル・オサリバンさん(左)

共訳者の河野優三枝さん(右)とアリエル・オサリバンさん(左)

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 カナダ在住の日本人女性とカナダ人女性が共同で英訳した短歌集「原爆の歌 河野英子歌集」(木犀社)の朗読会が8月9日、バンクーバー郊外にある日系文化センター・博物館(6688 Southoaks Crescent, Burnaby )で行われた。

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 朗読を行ったのは、同歌集を英訳し昨年出版した河野優三枝さんとアリエル・オサリバンさん。広島の原爆で夫と次男を亡くした河野さんの母英子さんが原爆の悲惨さと家族を失った悲しみを詠んだ短歌60首を、二人で何度も修正を重ね翻訳した。

 河野さんは「母の短歌を通して少しでも多くの人に原爆の恐ろしさを伝えることができれば」と友人で詩人のオサリバンさんとの翻訳を思いついた。オサリバンさんは「英子さんがそれぞれの短歌に込めた思いが英語でも正確に伝わるように何度も単語や表現を二人で推敲(すいこう)した。納得するものができるまで本当に時間がかかってしまった」と出版までの経緯を話す。

 会場では、原爆投下後に家族を探しに広島市内へ行った英子さんが目にした惨状や悲しみが表現された短歌を日本語と英語で次々と朗読。聞き入る来場者たちが時折つらそうに首を振る姿なども見られた。

 オサリバンさんは朗読後、「戦地から帰った私の叔父が言っていた。『戦争に勝者はいない』」と平和の大切さも伝えた。

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