日系人収容所が舞台の映画製作プロジェクト-バンクーバーで進行

脚本、監督、プロデューサーを務めるBrendan mk Uegamaさん。

脚本、監督、プロデューサーを務めるBrendan mk Uegamaさん。

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 第2次世界大戦中の日系カナダ人の強制収容所を舞台とする映画製作プロジェクト2本が、バンクーバーで同時進行している。プロデューサーを務めるは、日系カナダ人の映画監督Brendan mk Uegamaさん(Blacktree Pictures inc)と、バンクーバーで映画製作事業「Elephant Beach Productions Inc.」を手がける山本美穂さん。

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 製作されているのは短編映画「Henry’s Glasses(ヘンリーのメガネ)」とドキュメンタリー映画「The Rising Sun」。両作品ともJapanese Canadian National Museum & Heritage Centreのサポートを受け、当時BC州タシュメにあった日系人強制収容所を舞台としている。山本さんは「忘れ去られてはならない史実を後世に伝え、風化させないためにも大変意義深いプロジェクト」と話す。

 「Henry’s Glasses」は強制収容所に入っていた父を持つUegama さんが脚本を執筆。Directors Guild of Canada によるKick Start Program(有望な映画監督をサポートするプログラム)の対象作品に選ばれ、製作資金援助を受ける。物語は、想像を超える不思議なことが起こる、ある「ギフト」を持っている8歳の少年ヘンリーと年老いた疑い深い男、山本との交流を描くファンタジー仕立ての作品。「強制収容所という闇の様な世界の中で光を見出す心温まる物語」(山本さん)。

 「The Rising Sun」はJapanese Canadian National Museum 提供の貴重な映像を多く使ったドキュメンタリー映画。日系移民が経験してきた約130年の歴史を日系人コミュニティー、カナダ人、他の国からの移民たちの視点から「総合的にたどっていく内容」(山本さん)。

 「Henry’s Glasses」出演者はバンクーバー在住の日系人から公募を行い、4月にオーディションで選ばれる。10月に撮影開始後、コンピューター・グラフィックスなどの特殊効果を入れた編集作業を行い、来年2月ごろの完成を目指し、カナダ国内・外の多くの映画祭へ出品する予定。

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