![ドラゴン&タイガー賞を受賞した韓国のKun-JaeJang監督と主演俳優ら。](https://images.keizai.biz/vancouver_keizai/headline/1255118448_photo.jpg)
10月1日からバンクーバー市内各所で開催中の「第28回バンクーバー国際映画祭(Vancouver International Film Festival)」で10月8日、アジア部門の新人監督を対象とした「Dragons & Tigers Awards Gala」が開かれ受賞作品が発表された。
GALA開始直後に発表された同賞は韓国の「Eighteen」Kun-JaeJang監督が受賞した。そのカメラワークとキャラクター設定の巧みさ、ストーリーラインの構成が高く評価され、賞金1万カナダドルが授与された。映画祭アジア部門プログラマーのTony Raynsさんは「見た後、観客に新鮮さを感じさせてくれる作品。審査員ともども、Jang監督の今後の作品を楽しみにしている」と話す。Special Mention賞(審査員特別賞)はフィリピンの「Bakal Boys」Ralston Jover監督が選ばれた。
Jang監督は、受賞後のインタビューで、「高校時代の初恋の思い出をもとに完成させたストーリー。まだ母国韓国でも上映されていないのに、遠く離れた国カナダで高く評価してもらい大変感激し感謝している」と興奮気味に受賞の喜びを語った。共に来加していた主演のJun-Yeong SeoさんとMin-Ji Leeさんも初の主演映画での受賞に喜びの笑顔を見せた。
同賞は、アジア作品部門(Dragons & Tigers)で上映された作品のうち新人監督の作品に対して贈られるもので、本年度は8作品がノミネート。日本からも「ぴゅーりたん」(佐々木想監督)、「イエローキッド」(真利子哲也監督)の2作品がノミネートされていた。過去16年の受賞者の中には「空気人形」の是枝裕和監督、韓国のイ・チャンドン監督などが並ぶ。
授賞式終了後は役所広司さんの初監督作品「ガマの油」が上映され、役所監督からの「初めての監督作品を多くの人に見てもらい楽しんでもらえたらうれしい」というメッセージも読み上げられた。ユーモアあふれ心温まる作品に、上映終了後は拍手を送る観客の姿が多く見られた。