カナダの先住民アボリジニの文化と芸術の祭典、「Talking Stick Festival 」(トーキング・スティック・フェスティバル)が2月12日~17日の6日間にわたり、市内各所で開催される。今年で7回目を迎える同フェス。歌やダンス、劇、マルチメディア、パフォーマンス・アート、ビジュアル・アート、ストーリー・テリング(語り聞かせ)、ワークショップなどさまざまなイベントが行われる。
主催は、Full Circle First Nation Performance。「先住民の伝統」と「コンテンポラリーで学際的な演劇技法」を融合させながら、アーティストが先住民の現実や経験を表現する機会を設けたり、アーティストの育成活動などを行なっている。
初日には、「Heartbeats of the Seventh Generation」(7世代目の息づき)がRoundhouse community center(181 Roundhouse Mews)で行われる。カナダ西部の先住民コミュニティーや学校の若いアーティスト、40人による写真や手彫りのトーキング・スティック、ビデオ・インスタレーションなどの展覧会。先住民写真家、教育者、製本者として有名なChiristine Germano さんが監修を務める。
会場の1つであるバンクーバーの老舗ライブハウス「The Railway Club」 (579 Dunsmuir Street)では13日、「カナダ先住民ミュージック・アワード」を受賞した、M’GirlとSandy Scofield さんによるライブイベントが行われるほか、「Ironworks Studio」(235 Alexander Street)では14日、受賞作家3人が詩など自身の作品を読むイベント「バレンタイン・デー狂詩文」も行い、作家と観客のライブ・ディスカッションも予定している。作家の1人、Richard Van Campさんは子どもの本も出版している小説家。今年、BC州で生まれるすべての赤ん坊にRichardさんの本、「Welcome Song for Baby: A Lullaby for Newborns」を贈るという。
同フェスの名称「トーキング・スティック」は、先住民の伝統的な杖に由来する。「先住民が話し合いをするときは、話しをする人がつえを持ち、話し手は常に勇気と敬意を持ち心から真実を話さなくてはいけない。また、聞き手も話し手の邪魔をせず敬意を持ち、静かに話しを聞かなくてはいけない」という意味が込められているという。