バンクーバー市とリッチモンド市内で4月15日~17日、「TRパターン」の考案者、佐藤慎権(しんご)さんによる講習会が開かれた。Kwantlen Polytechnic University、Fashion Design and Technology 学科(8771 Lansdowne Road, Richmond )とCenter for Pattern Designの 共催。
ミラノを拠点とするファッションデザイナー、佐藤さん考案のTRパターンはTransformation(変形)とReconstruction(再構築)を意味する立体デザイン構成から平面パターンメークにつなげる服飾造形技術。平面デザインでは表現できない立体的なデザイン線を表現する技術として国内外より注目を集めている。
今回はカリフォルニア州、セント・ヘレナにあるCentre for Pattern Design の招きでサンフランシスコ、シカゴ、カナダでの講習会が実現した。同センター、ディレクターのSandra Ericson さんは「TRパターンの技術は今まで誰も見たことがない素晴らしい技術。アメリカ各地の講習会ではプロのデザイナーやデザインを学ぶ学生が熱心に話を聞いていた。今後も定期的に講習会を開いてもらえれば」と話す。
佐藤さんは日本、イタリア、ロンドンなどでも講習会を多く開いており、「TRパターン技術はデザイナーが表現の幅を広げることができる技術。講習に来た人たちには、普通の平面パターンではできない3Dでの形づけを通して直観力や表現のための感覚を養い、今後のデザインにどんどん生かしていってほしい」と話す。
1982年から4年間、アズディン・アライア氏のメゾンでテクニカル・アシスタントを務めた経験も持つ佐藤さんは「ブランドにとても勢いのあった時に仕事ができて、アライアで得た経験はとても大きく今も役に立っている」と振り返り、多くの若いデザイナーたちにも知識と経験を広く積むことを勧めている。
TRパターン技術は ユーチューブでも動画を公開している。「日本、ヨーロッパ、北米だけでなく、アフリカやアジアなど多くの国の人が視聴している様で驚くとともに喜んでいる。今後も(この技術が)どんどん広まって各国のデザインの形と融合していくのが楽しみ」(佐藤さん)