リッチモンド市のRichmond Cultural Centre （7700 Minoru Gate, Richmond TEL 604-247-8300）で7月21日からアジア、カナダ、ヨーロッパの映画とメディアアートの祭典「Your Kontinent」がスタートし、オープニング・フィルムで日本映画『トイレット』（荻上直子監督）が上映された。

　同映画祭は昨年までリッチモンドで開催されていた「New Asia Film Festival」が、世界各国の映画に範囲を広げリニューアルされたもの。主催団体Cinevolution Media Arts Society のWangさんは「新しいフェスティバル名はドイツの気象学者Alfred Wegenerさんが発表した『Urkontinent（大陸の原形は1つであった）』という言葉と理論から派生させたもの。リッチモンドという街と同様に『this continent（この世界）』は多くの文化が集まり複雑に絡みあい共存している」と話す。

　オープニングで上映された「トイレット」は映画「かもめ食堂」「めがね」で知られる荻上直子監督がトロントで撮影した作品。英語を話せない祖母役のもたいまさこさんが唯一の日本人出演者で、全編英語という作品。言葉が通じないながらも次第に心を通わせてゆく祖母と孫の交流を優しくコミカルに描いた心温まる作品。

　日本からは22日と23日に日本の若手アニメーション作家が設立したインディーズ・レーベルCALFの作品上映と、CALF設立者の1人である大山慶さんの来場が予定されている他、ドキュメンタリー映画『ライブテープ』（松江哲明監督）も上映される。

　　中国映画「A Piano in A Factory（邦題＝鋼のピアノ）」（Zhang Meng監督）を飲茶とウーロン茶を楽しみながら観賞する「Dim Sum Movie」や参加費無料の子ども向け「Hands-on Filmmaking Workshop」、屋外のメディア・アートの設置などの企画も。クロージング作品は韓国で300万人を動員したドキュメンタリー「Old Partner（邦題＝牛の鈴音）」。

　入場料は一般＝8カナダドル、学生とシニア（55歳以上）＝6カナダドル、子ども（4歳～6歳）＝4カナダドル、3歳以下＝無料。企画により入場料が異なる場合もあるので購入の際に確認が必要。チケットは会場、または電話TEL 604-247-8300で販売。

　上映スケジュールはサイトに掲載。24日まで。