リッチモンド市のスティーブストン・エリアを中心として、公共スペースでのごみの分別収集プロジェクト「Go Recycle!」の導入が始まり、市民や観光客の注目を集めている。協賛はカナダ飲料協会、Encorp Pacific (Canada)、Nestle Waters Canadaの3社。
公園やコミュニティーセンター、バス停、学校やコンビニエンスストアなどの公共スペースでのリサイクル率アップを目指してパイロット運用を開始した同プロジェクト。これまでにカナダ国内では、ケベック州、オンタリオ州、ノバスコシア州、マニトバ州で同様の取り組みが行われ、ブリティッシュ・コロンビア州では初の試みとなる。
「リッチモンドで一番の観光地と言えばスティーブストン。市民の憩いの場となっているだけでなく、世界中から観光客が訪れる場所に設置することで、より多くの人たちがリサイクルを意識することにつながれば」と、ロケーション選択の理由を語るリッチモンド市環境プログラムスタッフのLinh Huynhさん。
新しく設置したごみ箱は全部で81個。ごみの種類(飲料容器類・新聞雑誌類・一般ごみ)によって各自が分別収集できるよう絵や写真を併せて表示する。プロジェクトの一環として、市民へのリサイクル意識向上教育プログラムも実施予定。
同市では、一般家庭のリサイクルごみ収集システム(ブルーボックス、ブルーバッグ、イエローバッグ)や民間のリサイクルセンターによる飲料容器換金システム(ボトルリターン)などを通して、積極的にごみ削減に取り組んでいる。Encorp PacificカナダのNeil Hastie社長は「リッチモンドでは年間7500万本の飲料容器を回収しリサイクルしている」と、同市のエコ意識の高さを評価。「家庭だけでなく外に出たときもリサイクルを心掛けてもらえるきっかけ作りになるはず」と今回のプロジェクトの効果に期待する。
スティーブストン・コミュニティー・ソサエティー代表のJim Kojimaさんは「今年のサーモンフェスティバルではごみ削減を目標に掲げて、ボランティアの人たちにごみ箱の横に立ってもらい、参加者にどのごみをどの容器に入れるか細かくチェックしてもらったので、効果はあったがとても大変な作業だった。今回設置される新しいゴミ箱は、分別の仕方が絵で表示されているのが分かりやすくてとてもいい。これなら大人も子どもも率先してリサイクルに参加できる」と気に入った様子。
10月末まで3カ月の試験期間を経た後、各エリアでのリサイクル率や問題点などについてリポートを作成し、州政府環境省に提出。今後の事業拡大の可能性について検討する。