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バンクーバーで3・11チャリティーコンサート-会場にあふれる日本への思い

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 バーナビーの日系ヘリテージセンター(6688 Southoaks Crescent, Burnaby、TEL 604-777-7000)で3月11日、被災地支援コンサート「ONE YEAR LATER: SHAKEN BUT NEVER BROKEN」が開かれた。

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 当日は、400席設けた会場に多くの人が詰め掛け、「上を向いて歩こう」「We Are the World」(JaVan)や「斎太郎(さいたら)節」「勇気を出して」(さくらシンガーズ)、「北海民謡調」(尺八・琴のアンサンブル)など、それぞれのグループが日本への思い、被災地への励ましのメッセージを込めて選曲した演奏やパフォーマンスを披露した。

 さくらシンガーズで41年以上歌い続けているという高橋美那子さんは「1年前にテレビの画面に何度も繰り返し映し出されるニュース映像を見て、戦後の焼け野原の様子を思い出した。日本はあの悲惨な戦争からも立ち上がってきた。今日は少しでも皆さんに元気を届けることができればと思い、いつも以上に一層心を込めて歌わせてもらった」と笑顔を見せた。

 被災地に実際に足を運んだときの体験について語った日系映画監督Linda Ohamaさんは「何もかも失ったはずの被災者の皆さんの笑顔に逆に自分が勇気づけられた。現地ではまだ復興の兆しが見え始めたばかり。(被災地のために)それぞれの立場で何か必ずできることがあるはず」と語り、今後の継続的な支援の必要性を訴えた。

 会場内には、指圧コーナーや被災地の現状を紹介する写真展示コーナー、サイレントオークション、チャリティーTシャツ販売コーナーなども設けられ、多くの来場者が足を止めた。アボツフォード在住の大植慎司さんが発案した「がんばる日本Tシャツ」(堀江正さんデザイン)は、売り切れるサイズが出るほどの人気で、購入希望者の列が絶えなかった。「最初は目標売り上げ250枚で始めたプロジェクトだったが、この1年で3,000枚以上が売れ、4万5,000ドル以上を寄付することができた。今後もカナダ国内だけでなく海外発送も含めて対応していく」(大植さん)。指圧コーナーでは、ボランティアで参加した指圧師が約80名に施術し、寄付金約2,200カナダドルが集まった。

 同コンサートを主催したBC州日本地震支援基金(BC-JERF)の松元香壽恵(こずえ)さんは「今年に入ってからの短期間で企画し実現にこぎつけたイベント。時間や費用など惜しむことなく、飲食店や地元のスポーツチーム、アーティストの方など幅広い分野の皆さんが協力してくださったおかげ」と感謝の意を述べ、「地元の日系人だけに限らず、多くのカナダ人の皆さんが足を運んでくださったことが本当にありがたい。今回集まった収益金は、被災地の子どもたちの未来のため、精神面でのサポートや教育に直接役に立ててもらえるようにするためにNPO団体『地球のステージ』と『あしなが育英会』に寄付する。遠く離れていても被災地のこと、日本のことを忘れてはいないということを伝えたい」と力強く語った。

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