バンクーバーのダウンタウン、グランビルストリート沿いで7月13日、巨大ポリスチレンブロックで自由に都市空間をつくるイベント「アップサイクル・アーバニズム」が開催され、多くの通行人が思い思いの部屋や空間の創作を楽しんだ。市が主催する歩行者天国プロジェクト「VIVAバンクーバー」の一環でバンクーバー博物館の主催。
同イベントが開催されたのはグランビルストリート沿い、ウエストジョージアとロブソンストリートの間。ダウンタウンのメーンストリートの一部を車両通行止めとし、アップサイクル(新たな価値で再利用すること)が可能な約700の棒状と花型のポリスチレンブロックを用意、参加者に好きな街や空間をつくるように呼び掛けた。
博物館キュレーターのCharles Montgomeryさんは「今回の企画は、もし人々に公共のスペースを自由にデザインして良いと伝えたら何が起きるか、という発想から始まった。UBCなどで建築や市街デザインを学ぶ学生と一般の通行人の両方に参加してもらって、お互いが影響を与えながらさまざまな物を作ってもらいたかった」と話す。
使用したブロックは工事現場などから廃棄されたポリスチレンを再利用したもの。イベント後は回収され再リサイクルされる。今回のイベントにポリスチレンを提供したMansonville Plastics社のJack Liuさんは「イベントで使うのがポリスチレンと聞いてごみになり環境に悪そう、というイメージを抱いた人も多いと思う。しかし実は回収すればアップサイクルが可能な素材だということも知ってもらえれば」と話す。
当日は事前に参加を表明していた50人のほか、通りかかった約100人が飛び入りで参加し、思い思いに空間造りを楽しんだ。Montogomeryさんは「このイベントを通して都市のデザイン、公共のスペース、そして環境保護についても意識してもらえたのでは」と話す。