バンクーバーの海洋博物側の埠頭(ふとう)で9月3日、ダイバーによる海中のゴミ探索が行われた。20日から始まる沿岸清掃活動「グレートカナディアン・ショアラインクリーンアップ」啓発の一環。
1994年にバンクーバー水族館の主催で始まった同清掃活動。毎年賛同者が増え1997年には400人のボランティアがBC州内20カ所で一斉に清掃する活動となった。その後カナダ各地に広がった活動はWIFFと協賛、2002年に「Great Canadian Shoreline Cleanup」として全国規模になり昨年は国内1950カ所、5万8000人以上のボランティアが参加して約10万キログラムのゴミを回収した。
当日海に潜ったダイバーのJeremy Heywoodさんは「ビニール袋やプラスチック製品、ビール瓶や缶、そしてタバコの吸い殻が最も多く海中で見るゴミ」とし「今までの活動ではウエディングドレスや自転車、タイヤなども見つかっているが自分が引き上げた中で最も奇妙だったゴミはウエートリフティング用のベンチ。なぜそんな物を海に捨てるのか理解できなかった」と話す。
水族館副社長で同清掃活動ディレクターも兼ねるDolf DeJongさんは「プラスチック製品、携帯電話、包装紙などいろいろなゴミがあるが、中でもプラスチックが海中で時間をかけて分解された物が生物にとっての脅威となっている。沿岸清掃活動で少しでも多くの人にゴミを放置しないことの大切さを知ってほしい」と呼び掛ける。
この日の潜水では特に目立ったゴミの発見はなくHeywoodさんは「この辺りの海底は沈泥が多いので埋もれてしまっているとも考えられるが、ゴミが全然見当たらなかったというのは良い知らせだ。しばらく見かけなかったニシンが戻って来ているし、海の状態が改善に向かっているのかも」と笑顔を見せ更なる清掃への期待を見せた。
清掃活動は28日まで。バンクーバーエリアでも各所で行われ、清掃場所とスケジュールはサイトで確認できる。