アイヌ民族の木彫りトーテムポール群「カムイ・ミンタラ」、修復作業終わる

バーナビー・マウンテン・パーク内にあるトーテムポール群が、2年間の修復作業を終えて公開されている。

バーナビー・マウンテン・パーク内にあるトーテムポール群が、2年間の修復作業を終えて公開されている。

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 バーナビー・マウンテン・パーク(100 Centennial Way, Burnaby)内にあるトーテムポール群「The Playground of the Gods」(神々の遊ぶ庭、アイヌ語で「カムイ・ミンタラ」)が、2年間の修復作業を終えて公開されている。

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 作業を担当したのは、芸術作品の保存修復家Andrew Toddさん率いる6人のプロジェクトチーム。4月17日にBurnaby Village Museum(6501 Deer Lake Avenue, Burnaby)で開かれた説明会では、Andrewさんが実際の作業過程での写真を見せながら各ステップの手順を解説した。

 バーナビー市と北海道・釧路市との姉妹都市友好25周年を記念して、1990年に釧路市から贈られた木彫りのトーテムポールは、アイヌ民族の彫刻家、床(とこ)ヌブリさんが造った作品。公園内の高台に、バラード・インレット(入り江)を臨むように50本以上のトーテムポールがそびえ立つ。長年の間の雨や風、湿気、落書きなどのために傷みが目立つようになり、今回の修復作業を行うことになった。

 「表面に生えたコケや磨耗した部分などを、ブラシや木ベラを使ってすべて手作業できれいにしたり、すき間を特殊なエポキシ樹脂で埋めていき、亜鉛板のキャップをかぶせたりする作業は、とても根気のいる仕事」と話すAndrewさん。「丁寧に防腐剤や防水・防虫加工を施したので、今後20年は大丈夫」と自信を見せる。

 説明会に参加した1人は「修復作業の内容は、今まで知らなかったことばかりで、とても興味深かった。カナダ先住民の芸術であるトーテムポールとアイヌ文化の融合した作品が、無事に保存修復されて良かった。表面の黒い汚れが落ちて明るい色になったクマの彫刻が、笑っているかのように見えたのが不思議。天気が良くなったら、ぜひ実際に見に行ってみたい」と話す。

 現在、Andrewさんはバンクーバー国際空港にあるトーテムポールなどの彫刻類のメインテナンスも担当している。

Burnaby Mountain Conservation AreaBurnaby Village MuseumAT Conservators Ltd

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