「百円の恋」がバンクーバー国際映画祭で上映 安藤サクラさんの熱演絶賛

バンクーバー国際映画祭で上映された「百円の恋」の武正晴監督

バンクーバー国際映画祭で上映された「百円の恋」の武正晴監督

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 「バンクーバー国際映画祭」で武正晴監督の「百円の恋」が上映され、武監督自身も多忙なスケジュールの中来加し質疑応答に応じた。

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 安藤サクラさん主演の同作は昨年12月に日本で公開。東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門作品賞を受賞、アカデミー外国語映画賞の日本代表作にも選ばれており、主演の安藤さんは国内外で数々の主演女優賞を受賞した話題作。

 滞在2日間のみという弾丸スケジュールながら日本から駆けつけた武監督は「ここまで広がるとは思っていなかったので多くの人に支持して頂き本当に感謝している」とし「まず(脚本家の)足立さんのシナリオが素晴らしかったこと、そして安藤さんの頑張りと素晴らしさが映画に力を与え、観てくれた人が感動を伝えてくれた。自分はその才能をきちんと生かす準備をしただけ」と控えめに喜びを話す。

 体形太めのニート女性からアスリートへと劇中で見事に進化した安藤さんに監督から出したリクエストは「ボクシングをうまくなって下さい」であり、体形に関して支持を出したわけではないと言う。安藤さん自身が一子のイメージを受け、撮影前の3カ月間でボクシングのトレーニングを行いながら筋肉の上に脂肪をつけて体を大きくして準備。撮影に入ると今度は食事療法などで脂肪を落としていった経過を「非常に過酷だったと思う」とねぎらう。

 撮影に要した期間は2週間強ほど。「短い期間で痩せて頂くのでどう効率良くシーンを撮るかを考えなくてはならなかった。途中、一子が体を見せるシーンではどこから撮るかなど相談し見せても良いように(体の準備を)してくれた」

 ボクシングのシーンは事前に動きが決めてあり俳優同志で練習を重ねた後に撮った。「当てないで当たっている様に見せるのが映画の撮影なのだが、どうしても興奮したり、疲れから間合いがずれ当たってしまうこともあった。だから映画で当たっている様に見えているところは本当に当たっているし、かなり痛かったと思う。それでも撮影終了まで倒れることなく頑張ってくれた」と迫真のファイトシーンを振り返る。

 安藤さんなしではこの作品はあり得なかったと言う監督は「女優魂というもので効かないくらいエネルギーを使い、身を捧げ、役作りを超えて安藤サクラの生きざまを見たと思う。撮影中の頑張りや色々なことを思い出してしまい、映画を今でも冷静に見られない」と絶賛する。

 95年に友人を手伝った自主制作映画がバンクーバー国際映画祭で上映された駆け出しの頃を懐かしむ武監督。同じく今回上映された「GONINサーガ」の前作「GONIN」では石井監督の助監督を務めた思い出もある。同映画祭、アジア映画プログラマーのトニー・レインズさんには「東京国際映画祭でも評価してもらった」とこれまでの縁を感謝し、一足先に帰国した石井監督や入れ違いに釜山国際映画祭に向かったトニーさんに会えなかった事を悔やみながらバンクーバーを後にした。 

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