「第15回女子世界ソフトボール選手権(WBSC XV Women’s World Softball Championship)」開催中のバンクーバー郊外サレー市にあるソフトボールシティー(2201-148th St. Surrey)では、連日、日本代表チームが熱戦を繰り広げ、大会3連覇を目指して快進撃を続けている。
英国戦(7月19日)で代表として初出場を果たし、ホームに滑り込んで追加点を挙げた川畑瞳選手
予選リーグを1位通過した後、2次リーグの台湾戦(7月18日)は6対1と圧勝。英国戦(19日)では初回に2点取った後、4回、5回と1点ずつ追加し、そのまま一方的な試合になるかと思いきや、7回表に粘りの攻撃を見せ、2アウトから満塁にした英国を平原かすみ投手が何とか抑えて4対2で逃げ切った。21日のニュージーランドとの対戦では、日本打線が大爆発し、9対2の6回コールドで勝利を収めた。
19日の英国戦で、代表として今大会初出場を果たし、貴重な追加点のホームを踏んだ川畑瞳選手は「緊張したが、せっかく頂いたチャンスなので全力でプレーしようと思って打席に立った。ホームを踏めた時には開放された感じがした」とほっとした表情を見せ、「また使ってもらえるよう引き続き頑張りたい」と満面の笑顔で語った。
日本のエース、上野由岐子選手の負傷のため、急きょ代表に招集された平原選手。英国戦の最終回でピンチを迎えた時には、「(監督から)自分のボールを投げ込んで1個ずつアウトを取るようにと言われた。チームメイトたちは『自分たちが後ろで守っているから思い切って投げていいよ』と言ってくれて心強かった」とマウンド上での様子を振り返り、登板を重ねるごとにチームの結束が強くなっていることがうかがえる。
決勝トーナメントに向けて、福田五志(いつし)監督は「(ニュージーランド戦は)いい雰囲気で勝てた。自分が日本代表チームとしてこの選手たちを預かってから1カ月が過ぎた今、迷うことなく選手を信じて持っているものを出してあげることが自分の仕事だと思っている。まだまだこれから負けられない試合が続いていくので、ここでいったん仕切り直しのつもりで、新たな気持ちで臨んでいきたい」と強い思いを口にした。
平日の試合では応援席の日の丸も少なくなりがちだったが、声を枯らしながら「ニッポン・チャチャチャ」の音頭を取って応援する子どもたちの姿に、選手も観客席も心和む場面が多く見られた2次リーグ。決勝戦では、在バンクーバー日本総領事館の呼び掛けにより、再び和太鼓の演奏が予定されており、さらなる現地応援団の結束が選手の力となることを期待する。