7月15日から10日間にわたって、バンクーバー郊外・サレー市のソフトボールパーク(2201-148th St., Surrey)で開かれた「第15回女子世界ソフトボール選手権(WBSC XV Women’s World Softball Championship)」で24日、決勝戦が行われ、大会3連覇を狙っていた日本を米国が7対3で下し、3大会ぶり10度目の優勝を飾った。
日本代表は、23日の準決勝で米国に敗れた後、24日13時から行われた敗者復活戦で、カナダを相手に藤田倭投手が完投。日本打線も大爆発して11対1で4回コールド勝ちを収め、「皆の調子が上がっているので、次の打順をなかなか決められないのがうれしい悩み。『鉄人』藤田も何試合でもいけると言っているし、このまま目の前の一球一球を見ていくしかない」(福田五志監督)と、明るいムードで同日の決勝に進んだが、優勝への道は容易ではなかった。
決勝戦では、先発した濱村ゆかり投手の不安定な立ち上がりを米国打線が捉え、本塁打を含むヒットを量産した。4回までに7点を許してしまった濱村選手に代わり、藤田投手が登板。日本は、2回に坂元令奈選手、5回に河野美里選手が本塁打を放つなど、巻き返しを図ったが力及ばず、夢の3連覇には届かなかった。
試合後、がっくりと肩を落としていた濱村選手は「特に連戦の疲れとかはなかった。とにかく抑えたい気持ちが先に走って力が入り過ぎてしまった」と自分の投球について反省し、「一球の怖さを痛感し、チームの先輩方のすごさ、一人ひとりの存在の大きさを感じた大会だった。球速もコントロールも変化球もまだまだなので、また一からやっていきたい」と目を潤ませる。
福田監督は「結果は負けてしまったが、若い人もこれから金メダルを取るために、どういうプレーが通用するか、あらゆる角度から見ることができて勉強になったと思う。4年後に向けてのいい経験になった」と振り返り、「濱村は今日の投球を0点と言うかもしれないが、決してすべてが悪いわけではない。いいボールを持っているが、相手との駆け引きとか追い込まれたときにどうするかなど、まだ余裕がない。あまり悲観せず、今回の経験をこれからに生かしてほしい」と今後への期待を語る。現地での応援について、「たくさんの日本人の方、そして現地の日本ファンの皆さんがいて、ホームチームのような気分で戦えた。また帰って来たときもよろしくお願いします」と感謝のコメントも。
米国代表Ken Eriksen監督は「今回は上野投手が出場しないということだったが、うまく若い選手を育ててきていて、楽に勝てるチームではなかった。藤田は上野が若いころ、どんどん頭角を現し始めたときを思い出させるいい投手」と高く評価し、「今はソフトボール界全体のレベルが向上しているので、どんなに最高のピッチャーがいても、それだけでは決して勝てない。日本は洗練された一流のプレーをする本当にいいチームで良きライバル。日本とは、10戦したら5勝5敗になるくらい力は拮抗していて、お互いに高め合うことができている相手なので、次に戦えるのを楽しみにしている」と笑顔を見せる。
次の世界選手権は、2018年に千葉での開催が決定している。