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桑原滝弥さん、バンクーバーでポエトリーパフォーマンス 「JPN49」の初企画で

観客も巻き込んで対話式のポエムを日英バイリンガルで演じる桑原滝弥さん

観客も巻き込んで対話式のポエムを日英バイリンガルで演じる桑原滝弥さん

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 バンクーバー市内各所で10月6日~15日、「Japanese Poets North of the 49th(JPN49)」によるポエトリーイベントが開催され、幅広い年齢層の参加者たちが日本語と英語による自由な詩の世界を満喫した。

「iPhone売り」のパフォーマンスを行う高山宙丸さん

 「カナダと日本を詩でつなぐ」をコンセプトに企画されたプロジェクトの第1回イベントとして、日本語学校でのワークショップやカフェでのポエトリーリーディングなどが行われた。普段はあまり詩を読んだり、聞いたりすることになじみのない参加者も多かったが、日本からのゲスト、桑原滝弥さんのエネルギッシュなパフォーマンスに知らず知らずのうちに巻き込まれ、会場は笑顔と歓声であふれた。

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 「JPN49」の主催者でバンクーバー在住の詩人、高山宙丸(そらまる)さんは、「はじまりのうた」などのオリジナル作品のほか、歌舞伎の口上として知られ、発声や滑舌の練習によく使われる「外郎売(ういろううり)」を現代風にアレンジした「iPhone売り」を演じた。桑原さんは来場客の中から女性パートナーを選んで語り合う形式で一編の詩を朗読し、震災被災者への思いを込めた作品などを披露した。

 ワークショップでは、桑原さんが参加者から出されたテーマで即興の詩を作った後、グループに分かれてそれぞれ英訳に挑戦し、完成した作品を発表。グループごとで解釈が異なったり、意訳の仕方や文体によって全く違う雰囲気の詩になったりすることを体験し、「詩の面白さが初めて分かった」「詩は型にはまっていて退屈で、難しいものだという先入観がなくなった」と、新しい魅力を発見した参加者も多かった。

 最終日の15日には、会場となったカフェUncommon Cafe(477 Powell Street, Vancouver)は立ち見客が出るほどの盛況ぶりに。かつて日本人街があったエリアでの開催ということで、桑原さんが実際にパウエルストリートを歩いて感じたことを読んだ詩を紹介し、日系移民の歴史への思いと合わせて、バンクーバー滞在中に日本で生まれた息子へのメッセージも含んだ作品に、会場は温かい空気に包まれた。

 高山さんは「これまでこのような大きなイベントを主催した経験がなかったので、何か新しい一歩と大きな達成感を感じた。日本とカナダの新しい懸け橋になるような手応えと同時に、詩人として、パフォーマーとしてどんどん成長できるイベントになる実感がある」と振り返る。

 今回、詩の英訳などを主に担当したバンクーバーのアーティストグループ「TASAI(多彩)」創設者、Steve Frostさんは「次回はもっと英語圏の人たちにも参加してもらって、本当の意味で『お互いを理解し、共に作り上げていく』イベントにできれば」と話す。