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バンクーバー国際映画祭で「美しい星」上映 吉田大八監督も来場

バンクーバー国際映画祭で「美しい星」上映 吉田大八監督も来場

映画「美しい星」の吉田大八監督

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 10月13日に閉幕した「バンクーバー国際映画祭」で日本映画「美しい星」が上映され、吉田大八監督が作品に込めた思いを語った。

映画「美しい星」のワンシーン

 三島由紀夫の同名小説を原作に制作した「美しい星」。自分は火星人だとの意識に覚醒したお天気キャスターの大杉重一郎が地球を温暖化から救おうと奔走する姿を、同様に覚醒した息子と娘、家族の中で唯一地球人である母親、そして地球に住む宇宙人などを交えて描くSFストーリー。ユーモア溢れる中に家族や地球人が抱える問題、人間であることの悲しさなども織り込む。

 大学生の頃に同小説を読んで以来「いつか監督したい」との思いを温めてきたという吉田監督。今回の映画化にあたり設定を現代に変更。地球人が直面する問題も「核兵器の危機」から「地球温暖化」に変えて脚色した。「小説は1962(昭和37)年の東西冷戦時代が舞台。書かれた時と同時代の設定になっているので、映画を撮った現在に設定を変更することに躊躇(ちゅうちょ)はなかった」とその意図を話す。

 原作では木星人の母親も映画では地球人に変更。バラバラな家族の中で充足感を得ようと人間的にもがく母親像をつくり出した。吉田監督は「原作当時のお母さんの立ち位置を反映しているのか、小説ではお母さんはあまりフィーチャーされず大きな存在感がない」と話し、「現代の家族ではお母さんの役割はもっと大きい存在と考え、扇の要のように家族をつなぎ止めながら宇宙人の家族に付き合うという存在にしたかった」と変更の理由を話す。

 重一郎の一生懸命さが伝わる「火星人のポーズ」は映画の象徴的なポーズとなり会場でも大きな笑いが起きた。「テレビカメラを通じてアピールするためにビジュアルなアイコンを入れたかった」とし、「振り付けの人が考えたものに(演じる)リリー・フランキーさんが本番のアレンジとアドリブを加え、あのような笑いの起きるシャープなものになった」と明かす。「ポーズで大きな笑いが起こるほど、映画後半の彼の悲しみやヘビーな切なさが際立つようになった」とその出来栄えを評価した。

 「自分の中では30年前から作りたかったものが作れたので、一本目のつもりで作ろうと思った。久しぶりに見てみると、若手が作った作品のような『勢いはあるけどね』と言われそうな映画で少し恥ずかしくなった」と感想を話し、「SFでもなく純文学でもないと言われるリスクのある作品だが、書いた当時の三島(由紀夫)さんは恐れなかった。その三島さんのスピリットに顔向けできないものにだけはしないように、原作に対する気持ちに忠実に撮った」と作品に込めた思いを話した。

 2回とも会場はほぼ満席。「変わった話なので海外でお客さんが入るのか心配だったが、バンクーバーでは(今回は息子役で、映画『バンクーバーの朝日』にも出演した)亀梨君がよく知られていると分かり、思わぬところで助かったなと思った。日本に帰ったらバンクーバーで受けていたよ、と伝えたい」と話した。

 作品は今後も釜山、サンディエゴ、オーストラリア、ハワイなど海外での上映が決定している。

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