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バンクーバー水族館、イルカの飼育・展示終了決定 近年の飼育反対の声受け

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 バンクーバー水族館(845 Avison Way, Vancouver)が1月18日、イルカ、クジラ類の飼育と展示の終了を発表した。

 同館館長のジョン・ナイチンゲール博士は「数年にわたる議論と多くの人の理解とサポートの中、今後はイルカ、クジラ類の飼育展示は行わないと決定した」と発表。

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 同館ではこれまでシャチ、ベルーガなどの展示も行っていたが、相次ぐ死亡もあり現在はイルカ1頭のみを飼育。イルカやクジラ類の飼育反対の世論が高まる中、昨年5月にバンクーバー・パークボード(公園管理局)は同館のイルカ・クジラ類の増数と展示の禁止を決定し、同館は不服を申し立てていた。

 ナイチンゲール博士は一連のさまざまな議論で「海洋環境を守るという本来の活動に支障も出ていた」と話し、「これまでも今後も生物たちの健全な環境の維持がわれわれの最重要項目」とする。

 1頭だけ残っている30代の雌イルカ、ヘレンについては「2005年に日本の漁網にからまっているところを助けられ治療とリハビリを受けた。ヒレが一部欠損していることもあり自然に帰すことは不可能で、仲間との交流が必要というイルカの習性を考慮しベストな移転先を探しているが、年齢や国際法の観点から難航している」といい、引き渡し先が見つかるまでは飼育を続ける。

 海洋生物のレスキューセンターとしてカナダで唯一の病院施設を持つ同館では、引き続き救助活動を行い、イルカ、クジラ類が保護された場合は治療とリハビリを行う。ナイチンゲール博士は今後について「海洋保護団体Ocean Wiseとして、環境保全と海洋生物が直面している問題点について多くの人に知ってもらえるように一層の力を入れていく。9月にはカナダ北極圏の危機的状況を紹介する展示エリアの設置に取り掛かる予定だ」と話す。