バンクーバー美術館の屋外展示スペース「オフサイト」(1100 West Georgia St. Vancouver)で現在、日本人建築家の坂茂さんが設計した「紙のログハウス(Kobe Paper Log House)」が展示されている。
坂さん指揮の下で建てられたログハウスは15.8スクエアフィート。1995年の阪神・淡路災害の際に被災者向けに建てられたものと同じもので、再利用が可能な紙管と合板を使い低コストで建てられるようにデザインされている。
坂茂さんは神戸、宮城、熊本などの国内被災地以外にも、ルワンダ、トルコ、中国四川省など世界各地の被災地や難民キャンプでも紙管や段ボール、ビールケースなどのリサイクル可能な材料を使った低コストの仮設住宅を建設している。2014年には「建築界のノーベル賞」とも呼ばれる「プリツカー賞」を、2017年には「マザーテレサ社会正義賞」を受賞した。
同美術館ディレクターのキャスリーン・バーテルズさんは「世界中の被災地で坂さんは20年以上にもわたり、住むところを失った人々に住宅を届けてきた。グリーンな街として知られるバンクーバーは大地震発生の恐れがあり、建築デザインには制限がある街でもある。素晴らしくサステイナブルな設計でありながら、被災地の多くの人々の暮らしを向上させたログハウスを間近で見てもらえれば」と期待する。
鑑賞無料。10月8日まで。