見る・遊ぶ

バンクーバー・人類学博物館で「抵抗のアート」展 南米政治問題、芸術で抵抗

メキシコから招いた先住民族の女性が展示用に描いた壁画を前にするサナックス博士

メキシコから招いた先住民族の女性が展示用に描いた壁画を前にするサナックス博士

  •  

 バンクーバーのブリティッシュコロンビア大学にあるUBC人類学博物館(6393 NW Marine Dr. Vancouver、TEL 604-822-5087)で現在、「抵抗のアート:ラテンアメリカの政治と過去(Arts of Resistance- Politics and the Past in Latin America)」展が行われている。

遺伝子組み換えのトウモロコシ生産に抵抗を示すアート作品

 同展ではメキシコ、ペルー、グアテマラなどの伝統工芸を通して政治や西洋からの抑圧に抵抗を示す数々の作品を展示する。展示物は伝統的な手法で作られた工芸品や衣装、壁画など100点以上。

[広告]

 美しい手芸で彩られたマヤの女性たちの民族衣装であるウィピルは、デザインで結婚の有無や出身地などが一目で分かるようになっており、先住民族の女性の社会的地位の問題を提議。メキシコの祭りで使用されるマスクやきらびやかな衣装からは、キリスト教による先住民の信仰の悪魔化に対する人々の抵抗の心理をうかがい知ることができる。遺伝子組み換えのトウモロコシの栽培に抵抗する人々や2014年にメキシコで起きた学生殺害事件などを扱う作品も展示する。

 同展のためにメキシコ、グアテマラ、ペルーやチリなどから100点以上の作品を収集したキュレーターのラウラ・オソリオ・サナックス博士は「ラテンアメリカというと明るいイメージを持つ人も多いが、植民地化と西洋からの抑圧を現在も受けており政治問題も多く抱えている。今回展示するアートを見て、伝統的な作品に込められた地元の人々の抵抗の声を知っていただければ」と来場を呼び掛ける。

 開館時間は10時~17時。入館料は、一般=18カナダドル、シニア(65歳以上)・学生=16カナダドル、6歳以下無料。10月8日まで。