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リッチモンドで日系カナダ人アーティストの2人展 「なまはげ」テーマの作品も

シンディ・モチヅキさんの展示

シンディ・モチヅキさんの展示

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 日系カナダ人のアーティスト2人が日系ルーツをたどる展示会が現在、バンクーバー国際空港近くにあるリッチモンドアートギャラリー(7700 Minoru Gate, Richmond TEL 604-247-8300)で開催されている。

ジョン・ササキさんの展示

 作品を展示しているのは日系カナダ人アーティストのジョン・ササキさんとシンディ・モチヅキさん。ササキさんの作品タイトルは「We First Need a Boat for the Rising Tide to Lift Us」で、戦前多くの日系人が漁業を営んでいたスティーブストンの海で腰まで水に漬かりながら1人でボートを制作するというパフォーマンスアートを撮影した映像。かばんの中にある限られた道具のみで造船の知識のないササキさんが、打ち寄せる大波や道具の紛失など予期せぬ困難を前に苦戦しながらボートを作る様子を映す。

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 戦時中に同地に住んでいたが財産を没収され収容所に送られた祖父を持つササキさん。「戦後はオンタリオ州に移り住んだこともあり、祖父からは漁や漁船に関する知識や話は受け継がずに育った」と話し、「1942年に全てを取り上げられなかったら、家族や自分がどのような人生を歩んでいたのだろう」と日系人としてのルーツに思いを寄せたパフォーマンスの意図を話す。

 モチヅキさんの作品タイトルは「Cave to Dream」で、秋田県の「なまはげ」をモチーフとした作品。かまくらを模した中にアニメーションやショートドラマのオリジナルの映像4作品が流れる。バンクーバーで日系カナダ人として育ったモチヅキさんは、祖母から聞く日本の昔話に登場する「鬼」や「妖怪」などに注目してきた。今回の作品は2017年に秋田県に調査に訪れた際に知った「なまはげ」の文化を基に制作。「日本の昔話を調べるうちに祖父母たちがカナダで自分に伝えようとしていた日本文化の基にあるものを再発見できた」と制作の意図を話し、「日本の伝統の中にあり人々の生活に根付いている『四季』や『生と死』の概念にも触れている」とも。

 11月16日には展示されている「なまはげ」の衣装を着けた役者によるパフォーマンスも予定されている。13時と15時の2回上演。鑑賞料は10カナダドル。

 ギャラリーの開館時間は10時~18時(土曜・日曜は17時まで)。入館無料。11月17日まで。

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